Un romanzo
□伝えきれない愛を貴方に
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好き好き好き。本当に好き。この世で1番好き。ううん、もっともっと好き。何かと比べるなんて出来ないぐらい好き。
どんなに言葉にだしても伝えきれないこの思い。どうやって君に伝えればいい?
「ねぇドイツー」
「なんだ?」
「俺ドイツの事好き」
ぶっと飲んでいたコーヒーを吹き出すドイツ。その今更な反応につい笑ってしまう。
恋人になって、数え切れないほどキスをして、何度も体を重ねた。それでも“好き”という言葉に照れるドイツに時々歯痒くもあるけど可愛いと感じる。
「な、なんだいきなり!」
「ドイツに知ってもらいたくて、俺がどれだけドイツが好きかを」
「はぁ?」
眉間にシワを寄せ怪訝そうにこちらを見つめるドイツにニッコリ笑いかける。
「好きなんだ、本当に好き。日に日に好きになってく。どんどん、深見にはまっていくの」
「っ‥」
ゆっくりドイツの首に手を回す。爽やかなミントの香りがした。
「何より好き、愛してるの。ううんまだ言い足りない、もう口では言い切れないよ」
「どうしたんだ?いきなり」
冷たいドイツの手が頬に触れる。気持ちが良い。その手に自分を重ねた。
「‥なんでもないよ、ただ不安だっただけ」
「‥何がだ?」
「気持ちが伝わってるか」
頬にあったドイツの手がするりと顎に滑った。ドイツの碧い瞳に吸い込まれるように見入る。相変わらず綺麗な目だ。
「俺も‥だ」
「‥何?」
「俺もお前が、その‥俺を愛してる分と同じだけお前を、愛してる」
「ヴェ?!」
「いや、それよりもっとだな」
「そ、そんなことないよっ!俺のがドイツの事好き!」
むーっと膨らんだ俺の頬をぷすっとドイツの無骨な指が押す。
なんだか凄く幸せだ。胸の中がフヨフヨとする。さっきまでの不安なんてどこへやらだ。
言葉に出来ないぐらい俺はドイツを愛していて、ドイツも言葉に出来ないぐらい俺の事愛してくれてたらこんなに幸せな事ってない!
「ドイツ俺、幸せだ〜」
「‥俺もだ」
end
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