Un romanzo

□君の全てが
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金色の目を引く髪。男らしいがっしりとした体躯。海のように青い瞳。優しい包容力に軍人らしいしっかりとした性格。
どれもこれも俺には持ちえない魅力に溢れていて。



「俺、ドイツになりたいよ」
「何?」


素っ頓狂な声を上げたドイツ。ドイツの膝に座っていた俺はくるりと回転してドイツと向き合った。
じーっとドイツの顔を見つめる。キリリとした眉、高い鼻に青い目、改めてかっこいいと思う。




「羨ましい‥」
「何がだ?」
「全部、かな」


目を丸くして赤くなるドイツの首に手を回す。しっかりとした首は筋肉がついてきて男らしい。細くてプニプニとした俺とは大違いだ。
本当に思う、俺がドイツになれたらいいのに。



「目も髪も体つきも声も指も性格も全部が全部、羨ましい。俺もドイツみたいに生まれてきたかったなぁ」
「イタリア‥」



あーあ、と笑いドイツの膝から下りようとすると突然二本の腕に搦め捕られた。驚いて目をしばたかせる。


「なっ何?!」
「あーあれだ‥その‥俺はそのままのお前が好きだぞ」
「ヴェ?!」



予期せぬ告白に今度は俺が真っ赤になった。バタバタと腕から抜け出そうと暴れてみるがドイツのマッチョな腕はびくともしない。



「柔らかい髪に大きい目、華奢だが抱き心地のよい体に陽気で人懐っこい性格も‥上げたらキリがないが今のお前の全部が、好きだ」
「えっ!?あぅ‥ソレ、本当?」
「本当だ」


抱き抱えられて顔は見えない。でも声からドイツが照れてることが伝わってくる。
胸の辺りがふよふよする。抱きしめられたままドイツの背中に腕を回した。


「俺ヘタレだけど」
「そこも含めて、だ」
「女の子みたいに柔らかくないよ」
「‥お前が以外はどうでもいい」


ああ駄目だ。なんなんだ、もう。嬉しい、嬉しい、嬉しい!
なんだか色々溢れて来てもう堪えられなかった。


「大好きっ!」


力が緩んだ腕を振りほどき呆気にとられるドイツにキスをした。

一瞬、目の端に細い貧弱な自分の手が見えた。それがなんだかすごく誇らしかった。


end

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