Una novela

□成せばなる?
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イタリアはよく俺の家に泊まりに来る。
付き合う前から泊まる事はあったが、付き合い始めてからはより頻繁になった。正直、すごく嬉しかったりするわけで。




「ドイツ何で笑ってるの?」
「い、いや‥」
「?」
「あ、あれだこの香りはカルボナーラだな。いい匂いだ」
「あたりー!えへへ」



話をそらすことができて一先ず安心だ。幸せすぎてにやけていたなんて恥ずかしくてとてもじゃないが言えない。

トントントンと小気味いい音がキッチンに流れる。イタリアは本当に料理にかけては一流だ。
手を切ることもないし料理の彩りや盛り付けも美しい。何より味は絶品だ。



「イタリア、何か手伝うことはあるか?」
「ヴェーじゃあお皿とフォーク並べてもらっていい?」
「了解だ」



かちゃかちゃと音をたてて準備をする。ふとイタリアを見るとクスクスと笑っている。



「何を笑っているんだ?」
「えへへ、なんかすごい幸せだなって」
「そ、そうか‥俺も、だ」
「なんか俺達、夫婦みたいだよね」
「なっ?!」


イタリアが料理を盛りつけながら変な事を言うものだから持っていたフォークを落しかけた。
そんな俺に気付かずイタリアは楽しそうに話し続ける。


「さぁあなた、食べましょ」
「お、おいイタリア‥」
「早く食べないと覚めちゃうわよ」
「あ、ああ」


ニヨニヨと楽しげなイタリア。
どうやら夫婦ごっこが気に入ったらしい。もともとイタリアは女顔な上、声が高いのだから男らしい言葉よりはこっちのほうがしっくりくる。
しかし真似しているイタリアは楽しいだろうがこっちとしては女言葉が似合いすぎるイタリアにドキドキしっぱなしだ。


「あなた、美味しい?」
「美味しい、がイタリア‥」
「あなた、私そろそろ子供が欲しいわ」
「はぁ?!」
「元気な男の子がいいわ、なーんて。ドイツも旦那さん役やってよー」
「‥‥」
「あれ、ドイツ?」
「‥そうか子供か」
「え、あ、ちょっとドイツ?」
「作ってみるか」
「ま、待って!む、無理だから!無理!」
「いや、成せば成るかもしれんしな」
「や、ちょ、ぁっやあぁぁ!」




とまあイタリアを美味しく頂いた後に俺の奥さん特製のカルボナーラを文句を聞きながら食べた。
イタリアの作ったカルボナーラはやはり冷めていてもうまかった。


end

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