Una novela

□元拍手文
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「いやっほー!イギリスーっ」

「よぉ、久しぶりだな」


日本に呼び出された部屋に入ってみるとのイタリアがまるで自分の部屋の如く寛ぎ、
自分で作ったと思われるパスタとピザを食っていた。
見ているとイギリスも食べるー?と薦められたので素直に隣に座ってピザを食べた。うん、流石に旨い。


「‥美味い、な」
「へへーありがとー」


嬉しそうに目を細め笑うイタリア。
今度うまい飯の作り方教えてほしい、とは思うものの恥ずかしくて言えない。



「あっイギリスさん来て下さいましたか」

声のするほうを見てみると日本が何やら頭に鉢巻きをまき、ペンとメモ帳をにぎりしめ立っている。



「ヴェ?日本、どうしたの?」
「何やってんだ?」
「イタリア君、イギリスさん‥」


真剣な眼差しでこっちを見てくる日本に一瞬怯む。
瞳が熱く燃えているように見える。


「なっ、何だよ?」
「ぜひ、お二人のお話を夏コミのネタにさせてくださいっ!!」
「「な、夏コミ?」」


ええ、と答えると日本はばっと何冊かの薄い本を取り出した。


「私こういうのを作ってるんですけど」

「「??」」


手にとって読んでみるとどうやら男同士の恋愛、つまりその・・俺達のようなことを書いた漫画だった。
中には肌色含有率が半端ないのもある。
正直他人事ではないので笑えない。イタリアも少し恥ずかしそうにその内容に目を通している。


「で、これが俺達と何の関係が?」


顔を上げてみてみると日本の良い笑顔にぶち当たった。
嫌な予感‥頬に冷たい汗が流れる。


「是非っ、これのネタにさせてくださいっ!!独伊と米英で!!」

「ヴェー・・恥ずかしいけど日本の頼みならいいよー」
「いいのかよっ?!おっ俺はやだぞ!?」


真っ赤になって断固拒否する。
ただでさえきついのにしかもアメリカとなんて恥ずかし過ぎる。冗談じゃ無い!
すると日本は普段は見せないような黒い笑みを浮かべた。


「でしたらこれを世界中にばらまくまでです」


懐から何枚かの写真をとりだすと俺に渡す。
差し出された写真には俺とアメリカがキスしている所や抱き合っている所が写されていた。
こんなものは撮られた覚えは無い!(というか撮らせるわけが無いっ)


「なっ////!!こっ、これ、いつ撮った?!」
「ふふ‥日本の防犯カメラをなめ無いでください」


ポケットからまだまだでてくる写真をイタリアから遠ざけ、分かったから止めてくれと必死で叫ぶ。
満足気にに頷く日本にため息をつく。


「何を話せばいいの?」
「たいしたことではないですよ、いつも恋人とどういう風に過ごしているかとかですね。
まぁ惚気てくれたらいいんですよ」

「恋人ってドイツのことー?あのねドイツは‥」


楽しそうに話し始めるイタリアを羨ましそうに眺める。
イタリアが話す話はどれもとても甘くて本当にイタリアとドイツは仲がいいんだなと再度思い知らされた。
もっともこいつが話すドイツは俺が知っているドイツとは掛け離れているわけだが‥。

日本はイタリアの話にウンウンと頷きながらすごいスピードでメモ帳に走り書きをしている。
正直かなり怖い‥。
一通り聞き終わったのか日本がくるりとこっちに向き直る。


「ではイギリスさん、アメリカさんの惚気話を!」
「う゛っ‥///ぐ、具体的に何を話せばいいんだ‥?」
「そうですね‥情事中の事とか話してもらえると最高ですが‥無理でしょう?」
「あっ当たり前だっ!!//」


えーっとブーイングする日本。
情事中のことなんて無理に決まってる。もう恥ずかし過ぎだ。
頭から湯気が出てきそうなほど顔が熱い。


「あっイギリス、顔真っ赤だ」
「う、うるさいっ!ばかぁ」


イタリアに指摘され余計赤くなる。


「じゃあキスの話までで我慢します」
「き、キス?!//」


つい声が裏返る。なんでそんな辱めを受けなきゃならないんだっ!
キスってつまりキスだろ?!いやまあそりゃそうなんだけど‥
アメリカとのキスなんてなんで‥てかキスの何を話せばいいんだよ?!やり方か?!
うわっ俺何言ってんだ!


「うっ‥‥うわあぁっ!!///」
「あっイギリスさん?!」
「イッイギリス?!」


真っ赤になった俺はパニックを起こし迫ってくる日本から逃げるように部屋を飛び出した。






「やっちまった‥」


部屋から飛び出して行くあてもなく近くの公園のベンチに座って空を仰ぐ。
写真の事もあるし家には帰れない。
はーっとため息をつく。


「これからどうするかなぁ‥」
「日本の家に戻らないの?」
「ていってもよぉ‥ってイッイタリア?!」
「チャオ」


隣から顔をだすイタリアに思わず叫び声を上げる。


「いつからいたんだよ?!」
「さっきー」


全然気がつかなかった‥。
びっくりしている俺を尻目にイタリアは隣に座った。


「キスの話、そんなに恥ずかしいかなぁ?」
「あっ、当たり前だろ!お前と一緒にするな」
「ヴェ?なんで?」


キョトンと首を傾げるイタリアにため息を零す。


「‥俺はお前と違って素直じゃないんだよ」
「えっ」
「アメリカにも素直に好きとか言いたくても言えねーし嬉しくても嬉しーとか‥無理だ‥‥」


俯いてしまった俺の頭を不意にイタリアがぽんぽんと叩いた。
優しく頭を撫でてくれる温かい手。
目を上げてみるとイタリアがいつもより何だか大人げな笑みを浮かべていた。


「イギリスは恥ずかしがり屋さんなんだね」
「なっは、恥ずかしがり?!//」


クスクスと笑いイタリアは顔にかかっていた俺の髪を耳にかける。


「でもねイギリスは気持ちが伝わってないって思うかもしれないけどイギリスは結構分かりやすいよ?」
「わかりやすい?!俺が?」


うん、と頷くイタリアは頭にあった手を俺の手に重ねた。
あったかいイタリアの体温が手から伝わって心地良い。

「なんかね、態度で分かるの」
「態度?」
「なんてゆーかねー『アメリカ!俺以外を見るなっ!!』てゆーオーラがでてるみたいな?」
「嘘だろ!?」


だとしたら恥ずかしすぎる!
・・けどなら俺の気持ちもアメリカにちゃんと伝わっているのだろうか?

「伝わってる伝わってる!」
「心を読むな!まぁその・・慰めてくれて・‥ありがとな」
「いーえっ!じゃ日本ん家帰ろっか」
「そう‥だな」


これから来るであろう苦難(というか羞恥)のことを考え苦笑いしながらベンチから立ち上がる。

そしてふと思い出す。


「なあイタリア」
「ヴェ?何?」

「今度‥うまい飯の作り方教えてくれ」


end



おまけ1


日「初めてのキスは!?」
英「えっとアメリカからで・・紅茶飲んでたら突然・・」
日「なるほどなるほど・・ではアメリカさんのキスの好きなところは?」
英「なんか日々するたびに巧くなってるところ?最初は全然俺の方が巧かったんだけど・・今はあいつのが・・巧い。。」
日「そうなんですか!いいですね〜次はー」
英「ちょっと待って!!いつまでこの恥ずかしい質問責めは続くんだ!?」
日「私が飽きるまでです!」
英(やっぱ帰ればよかった・・)




おまけ2

伊「昨日ね、イギリスと日本と遊んだんだ〜」
独「珍しいな、何をしたんだ?」
伊「みんなでおしゃべりしたよ」
独「何話したんだ?」
伊「えっとね〜ドイツとのキスの話とかHの話とか」
独「イタリアァァ!!」
伊「えっなんかダメだった?」


終わり
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