Una novela

□君ひとすじ
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やはり国とはいえ俺達は男だ。やはり恋愛対象となるのは女性に違いない。
俺だってアメリカを好きになるまでは色んな美しい女性と付き合い、また抱いてきた。じゃあアメリカはどうなんだろう‥?





「なぁアメリカ‥」
「なんだい改まって」
「お前さ、なんてゆーか俺とその‥付き合う前ってどのぐらい恋人とか、いた?」
「はぁ?」


眉間に皺をよせ訝しげにこちらを見つめるアメリカに少し羞恥を覚えた。
馬鹿な事を聞いている自覚はある。でもやはり気になってしまう。

アメリカに自分以外にどんな相手がいたのか、と考えるだけで胸がきゅっと締め付けられる。
自分にだって数えられないほどいたというのにそう感じるのは自分勝手かもしれないけど。



「どうなんだよ?」
「んー特定の相手はいなかったかな」
「え?じゃあお前、童て‥」
「いやいやいや!彼女とかそういうのはなかったけど一日限りの付き合いとかは‥ね」
「あ、ああ‥そうだよな」



なんとなく安堵している自分に腹が立った。
でも不思議だ。アメリカはひいき目無しでみてもかっこいい。目を引くハニーブロンドに空のようなブルーの瞳。
がたいだってちょっとメタボってはいるがしっかりしている。女性がほって置く筈がない。



「告白されても断ってたのさ」
「え?」


考えていたことを見透かされ驚く。そんな俺を無視しアメリカは話し続ける。


「俺は小さな頃から君一筋だからね!」
「はぁ?!」
「なんたっていつも君を想像してヌいてたんだから」
「な、何言って?!」
「だっていうのに君は鈍感だしさ」
「も、もういいばかぁ!」


顔に血が集まってくるのがわかる。耐えられなくなって耳を塞いでうずくまった。

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!
変な事言い出すアメリカも恥ずかしいけど何よりそれの言葉喜んでいる自分が恥ずかしい!


「イギリス‥」


頭の上から優しげな声がふってきた。ゆっくりと顔を上げるといきなり唇を押し付けられた。


「ん‥ぅ」


アメリカの舌が俺の歯を割って入り込んでくる。上手くはなったもののまだまだ拙い舌使い。
それに何故か安心して喉でふっと笑った。そして世界一といわれるテクニックを駆使して主導権を奪い取る。
む、とくぐもった声を漏らし苦しげに眉をよせるアメリカに優越感を覚えた。唇を話してやるとキッと睨め付けてきた。


「っずるいよイギリス!」
「狡くねぇよ馬鹿」
「このエロ大使!!」
「ふんっ、こーゆーのは経験がものを言うんだよ」


胸をはって言う俺をアメリカはつまらなそうな顔をして一瞥したかと思うと、何かを思いついたようにイヤらしく笑った。


「へー・・じゃあ今から経験させてもらおうかな、色々」
「え?ちょっやめ・・ゃ、馬鹿ぁ!」


このあと俺はじっくりアメリカの愛を身体に教え込まれた。

end

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