Una novela

□きっとこれは
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寒いのが嫌いで、どうにかして南下しようとした。そのために色々酷いことをしたわけで。
そのせいで(それだけじゃないだろうけど)未だに色んな国から敬遠されて仲良くしようと思っても空回るばかり。
別にいいけどね、慣れてるし。


だからいつもそんなに期待してたわけじゃないし必死になんてなったことなんてなかった。

なのに、どうして‥






「ごめんねロシア、待った?」
「ううん、僕も今来たところだから」


嘘、本当は一時間も待った。良かったーと微笑むイタリア君の笑顔にドキマギする。


今日は一週間前から約束をしていた食事。
名目上は親交を深めるためだけど正直にいうとイタリア君とご飯が食べたかっただけ。イタリア君はどうだか知らないけど。

机に豪華な食事が運ばれてきた。グルメなイタリア君は目を輝かせてその料理達をみつめる。



「わぁーっ美味しそう!」
「あんまり急いでたべて喉に詰まらせないようにね」
「むーっ俺もさすがにそこまでドジじゃ‥ぅっごほっ」
「ふふふ。ほら、大丈夫?」
「うん、ヴェーありがとぉ」



涙目の彼の背中を撫でてやる。
イタリア君と食事をするのはかれこれもう5回めだ。最初は怯えられてはみたいだったけど今ではもうなかなか親しげに接してくれるようになった。

無防備にへらりと笑うイタリア君になんとなく嬉しくなる。



「なんで笑ってるの?」
「なんでもないよ」
「‥ロシアってさー優しいよね」
「え?」


思いも寄らない言葉につい口をアホみたいにあけてしまった。そんな僕を無視してイタリア君は話しを続ける。



「なんで皆が怖がるのかわかんないなー最初は俺も怖かったけどさ話していくうちに優しいなーって」
「そんなこと言われたの、初めてだよ」
「そーなの?」



首を傾げるイタリア君の姿が霞む。胸から温かいものがとめどなく溢れてくるようだ。こんな気持ちは生まれて初めて。

黙っている僕を不思議そうに眺めるイタリア君と目が会う。



「ロシアどうかした?」
「ありがとうイタリア君」
「へ?」
「ううん。じゃ、食べようか!料理、覚めちゃうよ」
「あっ忘れてた!」


うわーうわーっと大急ぎで料理を口に運び出すイタリア君につい口元が緩む。


君と近づきたい。ううん、いっそ手に入れたい。
でもそれは支配欲とかそーゆーのではなくて‥きっとこれは“愛”。


end

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