Una novela

□一番好きっ
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裸で寝るのが習慣で。昔っからだったから全く変だと感じなかった。兄弟で統一してからは毎日同じベッドで寝て同じベッドで目を覚ましていた。



(だっつーのになんで今更こんなに恥ずかしいんだよチクショー)


隣で寝ているヴェネチアの吐息が耳にかかるたびに胸が張り裂けそうなほどに高鳴る。
背中を向けていてもバクバクと心臓が動悸する音で背中に抱き着いているヴェネチアを起こしてしまいそうで。




(いくらなんでも密着しすぎだろチクショー)


肌と肌が直で触れ合いヴェネチアの温かい体温を感じる。くっついている胸から絡まっている腕から、色んな所からヴェネチアの体温が伝わってくる。

もう少し離れようと身体を動かすとヴェネチアが寝ぼけた声をだした。




「むにゃ‥‥?」
「わ、悪いっ起こしたか?」
「ん、ド‥イツ‥?」



その名前に心臓がドクンと波打った。


(なんで目覚まして一番にあんな奴の名前‥)

視界が狭まり酸欠のように頭がくらくらして何も考えられない。

(いつも一緒に寝てんのか)

溢れてくるどうしようもない感情が体を動かす。
ああ駄目だ、やめろ。頭の中で制止の響く声を無視し目を擦っていたヴェネチアの腕をベッドに縫い付け唇を奪う。口をこじ開け舌を絡めとる。


「っ‥‥」


突然の事にヴェネチアが目を見開き息を飲んだのがわかった。




「っにー、ちゃん‥?」
「あいつ、なのか?」
「何が?」
「あのジャガ芋野郎がっお前の‥好きな、奴なのか?」



先程から溜まっていた涙が頬を伝う。自分で何を聞いてるんだ、と思いながらヴェネチアを見つめる。
俺の質問にヴェネチアがただでさえ大きな目を更に丸くさせてぷっと小さく吹き出した。


「兄ちゃん、それで泣いてたの?キスしながらなくなんておかしいと思ったんだ」
「は?!泣いてなんかねーよチクショー!」
「えへへー」


ゴシゴシと袖で擦りニヨニヨと笑うヴェネチアをむーっと睨む。


「で、どうなんだよ?」
「えー俺はねぇ‥」


ヴェネチアがいきなり腕を首にまわしてきた。そして触れるだけの軽いキス。
ゆっくり唇がはなれる。視線交わるとヴェネチアはニッコリ無邪気に微笑んだ。



「兄ちゃんが1番大好きっ」


end

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