Una novela

□嘘です
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目眩がして頬が熱い。心臓は早鐘をうっているし何もかも思い通りにいかない。


「あーなんだこれ‥」



ソファーに深く腰をかけ天井を仰ぐ。隣には気持ち良さそうに眠るイタリア。暢気に寝言まで言っている。

重たい頭を横に向けイタリアを見る。


(かわいー‥)


さらりと紅茶色の髪を梳く。指の間を柔らかい髪が抜けていく。

「んっ」とイタリアが身じろぐと胸の奥がキュッと締まった。息がしづらい。手が動かなくなる。


(苦しいなぁ‥)


いつまでたっても友達のままでいるもどかしさ。
イタリアがどんどん他の男と仲良くなっていく焦燥感。
自分の知らないイタリアがいるという淋しさ。全てが胸を締め付ける。


「いつになったら気付いてくれるんだ?」


思わず自身の口からでた言葉に苦笑する。

(気付いてもらいたくなんかないくせに)

(フラれるぐらいだったら何も知らないで死んだほうがマシ)

(こんなに苦しいならもういっそ‥)




(このまま、消えて無くなりたい)

こんなに想っているというのに彼は腹が立つほど気持ち良さげな顔で夢の中。






(鈍感やろう!そのまま死んじまえ!


          ‥‥‥‥ごめんなさい神様、嘘です。)


end


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