novel

□なによりあなたが
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「ぼーんやーりー空をー眺めたーらー♪」

パスタをグルグルとかき混ぜる。根元からゆっくりほぐしていくのががコツ。
久しぶりの二人っきりの休日。
ソファーに座って待つドイツが見えてただでさえいい機嫌は最高潮。口からは自作の歌が漏れる。


「イタリア!火を使っている時ぐらい鍋から目を離すな!」
「大丈夫だよっ慣れてるからー」

へらりと笑ってみせるとドイツは照れたようにそっぽを向く。
なんて素敵な休日っ!ひらひらとエプロンを揺らしながら小さく踊る。

お昼を食べた後は何しよう・・?昼寝かな?ピクニックもいいなぁ、ショッピングもしたい!


「ねえドイツーこの後だけどさー」
「はっ!?あっああ、なんだ?//」


顔をのぞき込んだとたん変に焦るドイツ。なんだろ?


「どうかした?」
「いやなんでも・・」

どもるドイツをむー、と睨む。なんだか怪しい。
内緒にされるのはつまんない。


「嘘だー何?教えてよぉ」
「た、たいした事ではない」
「じゃあ教えてくれてもいいじゃんかー」
「五月蝿い!教えたく無いといっているんだ!!」
「なんでー?たいしたことじゃないんならいいじゃん!!・・他の人の事考えてたの?」
「ちっ、違う!!断じて違うぞ!」
「なら何考えてたの?」
「むっ・・」


なかなか教えてくれないドイツにだんだん俺はいらいらしてきた。
折角楽しい二人っきり休日なのに違うことを考えてたうえに何を考えていたか教えてくれないなんてずるい。
腹が立つを通りすぎてだんだん悲しくなってきた。


「ヴェーッドイツのばかぁ!うぇっ」
「おいっ泣くな!分かった!教えるから泣きやめ!」
「うぅ、ぐすっ・・うん」


ドイツが乱暴に俺の涙を拭う。ちょっと痛い・・。


「何考えたの?」
「あーそのだな・・お前のその格好・・」
「俺の格好?」


言われてからまじまじと来ている服装を眺める。
オレンジ色のフリルのエプロン(ハンガリーさんのお古なんだ)の下に短パンとノースリーブ。
特にこれっといって変なところはない。

首を傾げてドイツを見ると恥ずかしげに頬を掻きながら答えた。


「その、あれだ。お前のそのエプロンにタンクトップと短パンが隠れてだな・・なんというか裸エプロンに、見える・・」
「裸エプロン?」

言われてみればそうかもしれない。エプロンは膝まであるし肩はほぼ丸見えだ。

ということは・・


「ドイツもしかして・・」
「・・すまん」


俯きながら謝るドイツの下半身に目をやるとズボンごしにも分かるほどにそれは存在を主張していた。
頬が羞恥から赤くなる。


「ド、ドイツのえっち!そういうことは早く言ってよ!」
「なっ!?仕方ないだろう!言ったら・ショッピングに行けなくなるだろ・・」
「っ・・//」


まぁ確かにドイツをこのままショッピングに連れて行く訳にはいかない。
ドイツの優しさが心にしみる。


「別にいいよ、ショッピングなんて」
「なっ」
「だって」

驚いた表情のドイツの頬に優しくキスを贈る。

俺はシエスタよりご飯よりショッピングより


「ドイツのが好きだもんっ」

end

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