novel

□海へ行こうか
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「ふーはーふぅー‥」

今日は俺の一世一代の大勝負。
今日のために一週間も前から綿密な計画をたててきた。

手の平は緊張で汗で濡れている。声がかすれて裏返りそう。

深呼吸だ、深呼吸‥そう、大丈夫だ。俺は頭がいいんだ、そう天才。うん、いける‥はず!


「イ、イタリアちゃん!」
「ヴェ?」

今だ!さぁ!俺、行け!行くんだ!!



「あっあのさ明日どっか遊び行かない?」
「いーよー」


‥‥‥‥へ?


「えっ‥‥マジで?」
「うん俺どーせ明日暇だったし、どこ行くの?」


よっしゃああぁ!!神様ありがとぉ!!こんなに嬉しいのは久しぶりだ!涙が出そう‥
てか即答ってもしかしたらもしかして脈あり?!?いやっほぉお!


「そーだーなぁ‥イタリアちゃん行きたいとことか、ある?」
「あっ俺海行きたい!」
「おーいいな海!じゃあ海行くか!」
「ヴェー!すごく楽しみ!」


イタリアちゃん、可愛いすぎるぜ!!
もぉー幸せすぎて死にそう‥ヴェストなんかにゃ勿体ない!
よしっっ!俺が貰ってやるぜ!


「イタリアちゃ‥」

「よぉプロイセン何やってんだ?」
「あっイタちゃんやんかー久しぶりやな」
「げっ‥なんでお前らこんなとこに‥」
「フランス兄ちゃんにスペイン兄ちゃん!」


イタリアちゃんがフランス達に駆け寄る。
あいつらはほっんと間が悪い!わざとか?!わざとなのか?!

でも今はそんな事より大事な事がある!
こいつらにイタリアちゃんとのデートがばれちゃならねぇってことだ。バレたら最後、絶対付いて来るに決まってる!
そんなことになったら俺とイタリアちゃんのデートが台無しだ!


「イタリアープロイセンなんかと何話してたわけー?
あいつは万年中二病だから気をつけたほうがいいぜ」


誰が中二病だ!!四六時中、尻ばっか追い掛けてるやつに言われたかねーっつの!

イタリアちゃんは困ったように笑って少し俯き加減にフランスに言った。


「ヴェー?でもプロイセンいいやつだよ?今も俺を明日海に連れてってくれるって‥」
「わー!わー!わー!イタリアちゃーん‥」


ああイタリアちゃんそんなぽろりと‥

「えっあ、言っちゃダメだった?」

がっかりしている俺を見てイタリアちゃんは言ってはいけないことを言ってしまったかと焦ったように俺に謝った。

いやいいんだ‥イタリアちゃんは悪くない‥悪いのは全部この間が悪い馬鹿二人だから・・


「はぁ?海」
「へぇそんな話しとったんかぁ」

二人のニヨニヨした顔がムカつく。
殴ってやりてぇ‥がイタリアちゃんの手前、紳士な俺でいたいので拳を握り、我慢する。
健気な俺‥


「だったらなんだよ、お前らには関係ないだろ?」
「淋しいこというなやー俺らの仲やろー?」
「まったくだ。俺達も海、連れてけよ」


やっぱりこうなることは予測してたぜ‥


「絶っ対嫌だ!」
「頼むよ、イタリア〜」
「俺はいいけど‥」

ちらりと俺をのぞき見るイタリアちゃん。うぅ〜そんな目で見ないでくれよ・・



「・・チッ、わかったよ・・」
「よっしゃ!めっちゃ嬉しいわー!プー、サンキューなぁ」
「うるせーうるせー!フランスとスペインのバーカ!」
「ヴェ?」


くっそーっ!!
いつか絶対イタリアちゃんと二人っきりでデートしてやんだからな!!


end

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