novel
□好きって言って・・?
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ドイツがシャイで口下手な事は結構前から知っている。
でも恋人同士になったんだからせめて“好き”ぐらいは日常生活で言ってほしいんだ‥
「ねぇだめ?」
「断るっ!」
「なんでーっ?好きぐらいいいじゃんっ!」
「嫌なものは嫌なんだ!」
もーっドイツのいぢわる!ケチ!別に減るもんじゃないじゃん!
プーっとほっぺを膨らまして怒りを表現してみたがどうにもドイツは言ってくれない。
「何で嫌なの?Hの時は聞き飽きる程いってくれるのに‥」
「なっ!///そ、それはそういうものだろう?!」
「えぇー!!じゃあ今言ってくれたっていいじゃんかー」
それでもやっぱり納得いかない。
俺は何時だって何処だってドイツに好きだっていってるのに‥なんだか俺だけが好きみたい‥
ドイツ、俺の事好きじゃないのかな?
だから好きっていいたくないのかな‥?
「‥うっ‥グスッ‥」
「おいイタリア?!何を泣いているんだ?!」
「だってぇドイ、ツがぁ好きって言いたくないっていうからぁ俺の、事本当は好きじゃないんだって思ってぇ‥」
グスグスと泣いている俺をドイツはため息を付き、抱きしめた。
ムキムキの身体に抱きしめられると何故だかすごく安心するから不思議。
ドイツは腕の中の俺の顔を見つめたかと思うとおもむろに涙をぺろりと舌で舐めた。
「ひゃっ」
ざらざらとしたものが頬を伝う。
頬を舐めるドイツの顔があまりにも近くて俺は赤面した。
一通り涙を舐め終わったのかドイツは舌を俺の唇の方へ移動させる。
「っん‥」
ドイツの舌が俺の歯を割って入ってきた。
上顎を丁寧に舐められ口内を犯される。
「‥あっ‥ふ‥っ」
いつの間にかドイツはキスが上手くなってる。
昔は俺が翻弄するほうだったのに今ではいいように遊ばれて少し悔しい。
ドイツの唇が銀糸をひき、離れていく。
俺もドイツも真っ赤になり部屋にはどちらのものともつかない浅い息。
「‥俺がお前の事を好きじゃないかも、だと‥?」
「えっあ‥う、うん‥ちょ、ドイツ‥?」
まわされていた腕に力がこもる。
8aも身長の高いドイツに抱きしめられている位置からでは今ドイツがどんな顔をしているかが分からないけど上から降ってきた声は明らかに不機嫌だ。
「ねぇドイ‥」
「好きじゃないわけなんてないだろ?
寧ろ愛しすぎていて怖いぐらいだ。・・愛してる、俺のイタリア」
「っ・・///」
耳元で囁かれた言葉は滅多にドイツが言わないような甘い言葉。
その甘さに俺の心臓は壊れるんじゃないかと思うほど脈打っている。
心から温かい何かで溢れている。
ああ幸せってこういうことなのかなぁ‥
「ヴェードイツ、俺幸せ〜」
「‥‥そうか‥////」
抱きしめられたドイツの腕の中はあんまりに気持ちが良くてどんどん眠くなってきてしまった。
瞼が落ちきるまえにドイツの呆れたため息が聞こえた気がした。
end
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