novel

□間違ってなんてない
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彼を見るたびにいつもいつも思っていた。

どうして彼は俺のものにならないのか、と。



「あっやぁプ、ロイセン‥だめぇ」
「なんで?もうここ、こんなになってるけど」
「っやぁん」
「イタリアちゃん可愛い‥」
「や、だぁ‥なんで‥こんなの間違ってる‥」


間違ってなんていない。
君はこうでもしないと俺のもとにはこないだろ。
彼に無理矢理押し込んだバイブのスイッチを入れる。

「あっああぁ!やっへ、変にな、る!ゃっ、あっあぁ」

強すぎる快感に暴れるイタリアちゃんの縄のまかれた細い手首をゆっくり舐め上げる。
縄が擦れて血がでている。痛みと快楽によがるイタリアちゃんを見てつい口角があがってしまう。


愛する君はいつもみんなに笑顔を振り撒いて、みんなを幸せにしようとする。
けどそれじゃだめなんだ。
少し赤くなっている綺麗な首筋に歯をたてて噛み付く。


「ひゃあっ、んふっ」


イタリアちゃんの大きな瞳から大粒の涙が零れる。
それを優しく舌でなぞっていく。


「俺だけのものになってくれよ」
「あぁっ、ゃん、もぉやめ、よ‥」
「うん、って言うまでやめない」


イタリアちゃん分かってくれ、俺は君が欲しいんだ。
こんなのじゃ足りない、もっともっと君が欲しい。
何度体を繋げたって全然足りない。
いつまでも君は俺の物にはなってくれないんだ。


「イタリアちゃん‥愛してるんだ、頼むから俺のものになってくれ」
「無理、だよぉ、っんぁ‥だって俺は国だもん‥」
「‥‥そうか」

‥だったら仕方ない、こうするしかもう方法は残ってないよな?
イタリアちゃんの中に入っていたバイブのスイッチをきって、ポケットから小さなカプセルを取り出す。
小さくても立派な毒物だ、致死量の。
まだ辛そうに息切れをしていたイタリアちゃんが俺が持っているそれを見てギョッとした表情になる。


「えっ?プ、ロイセン‥何、する気?」
「イタリアちゃん、国なんてやめて一緒になろうぜ?」
「だめだよっ!やめて!んんっ」



俺はそれを口に放り込んでイタリアちゃんの柔らかい唇に深く、深く口づけた。


end


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