novel

□容赦しねえ
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俺の大事で大好きなコ。
いつもニコニコしてて優しくて可愛い。
そんな彼に恋しているのはどうやら俺だけじゃ無いらしく――




「はぁ‥」
「なんだオスト?いきなりため息などついて」

怪訝そうに眉を寄せるヴェストをちらりと見遣りまたため息を零す。
ここはとある国会議事堂。
世界会議があるからと聞いてやってきたわけだが‥


「なんでイタリアちゃんがいねぇんだよおぉ」
「それか‥」

呆れたような顔をするヴェストを無視し机に突っ伏す。
大ッ嫌いな会議に自ら来たのもわが心のアイドル、
イタリアちゃんに会うためだったというのに当のイタリアちゃんは風邪で会議をお休み。

可愛くないイタリア兄だけが出席している。


「今日はイタリアちゃんに会うために来たのによー」
「おいオストッ!基本会議は出席するものだろうがっ」

へいへい。俺の弟だってていうののにヴェストは固いな。
だからフランスに石頭っていわれんだよ。
俺は仕返しに少し顔を上げ意地悪くヴェストに言った。

「お前だって会議室入って来てすぐイタリアちゃんがいないことに、
気がついてたじゃねーかよ」
「なっ?!///そ、それは別に同盟国としてだな‥」

もごもごと弁解しているヴェストを見上げて真面目な顔をしてみせる。

「お前、本気でイタリアちゃんのこと好きなのか?」
「‥‥ああ。だったら何だ?」

牽制するような目付き。
何時からこんな目をするようになったんだか‥

「だったら‥ライバルとして容赦はしねぇってこと」
「望むところだ」

ニヤリと笑う俺にヴェストも笑い返す。

ああ、最大の好敵手はこんなところに。

end

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