novel

□愛おしさ故
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夜中いきなり目が覚めた。

カーテンの隙間から漏れる光を頼りに
時計を確認すると午前3時。
随分早くに覚めてしまった目を擦っているとふと横に異物を感じた。
目をやるとそこにはすやすやと寝ているイタリア。
いつものように素っ裸でよくみると
首筋や鎖骨に赤い跡が転々とある。
それを見て、ドイツは寝ぼけて忘れていた
今夜の営みの事を思い出し少し赤面した。

「‥‥」

優しくイタリアの頬を撫でる。
柔らかく白い滑らかな肌。
そこに付けられた赤い跡はあまりに綺麗だ。

昔、イタリアに我慢をするなと言われたことがあった。
それは自分も辛いんだ、と。

(俺の理性も結局たいしたことなかったな)

理性は彼の前で脆くも崩れ、
絶対的な自信があった自制心は彼への愛おしさの前に破れた。

時々今の自分が怖くなる。
いつかイタリアを殺してしまうのでは、と。あまりに愛しすぎている。
押さえがきかない。暴走してしまいそうな愛情が怖い。

「すまんな、イタリア」

愛情が怖くても愛してしまう。
止めることなんて、出来ない。
止めさせてなど、くれない。

全ては愛おしさ故。。

end

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