novel

□宣戦布告
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暇な休日の午後。
やることもなくぼんやりと気持ち良く晴れた空の下、
庭を掃除していた。

「‥暇だぁー」

ヴェストは部屋に篭って仕事だしフランスはナンパでスペインはトマトの収穫。
はは一人楽しすぎるぜ‥
少し涙目で嫌味なほど青い空を見上げていると
たったったっと軽やかな足取りが聞こえてきた。
柵から顔を出して覗いて見てみると
俺様の心のアイドル、我が意中の相手、イタリアちゃんがいた。

「よぉイタリアちゃんv」
「あっプロイセン!チャオ、暇だから遊びに来たんだー」

太陽よりも眩しいイタリアちゃんの笑顔に頬が自然と緩む。
このコの笑顔にはきっと何にも敵わないんだろうな。
可愛すぎるぜイタリアちゃん!

イタリアちゃんをすぐさま家に向かいいれ菓子と紅茶を出す。
礼をいいながらもぐもぐとリスのように口いっぱいに頬張るイタリアちゃんの様子は見ていて飽きない。
ぺチャクチャとくだらない話をしているとイタリアちゃんがふと周りを見渡し俺に尋ねた。

「そーいえばドイツは?」
「ヴェストは上の部屋で仕事。終わったら降りてくると思うぜ」
「ふーん‥仕事忙しいんだぁ、‥俺邪魔かな‥?帰ったほうがいい?」
「まさか!全然邪魔なんかじゃないぜ!ヴェストだってそんな事おもってねーよ!」
「‥うん‥」

ショボーンとするイタリアちゃんに胸がチクリと痛む。
特徴的なクルンが落ち込むように下に下がる。
俺は少し笑いその柔らかい紅茶色の髪に慰めるように手を置いた。

「‥あいつはもともとが仕事馬鹿だからな、

でもイタリアちゃんに会ってヴェストは変わったんだぜ?」
「‥ヴェ?」
「なんつーか丸くなった、いや優しくなったな」
「‥ほんと?」
「もちろん!俺は好きなコに嘘はつかない主義」
「もぉプロイセンったらー」

くすりと笑ったイタリアちゃんの可愛いこと!
思わず抱きしめていた。イタリアちゃんの少し高めな体温が全身で感じとれる。
ふわふわな髪が頬に当たって少しくすぐったい。

「ヴェ?!プ、プロイセン?!///」

腕の中で戸惑うイタリアちゃんが愛おしくてまわした腕に力をこめた。
イタリアちゃん、思ってた以上に細い‥それにすごく肌が白いな‥
今ならこのまま押し倒して‥

「オスト!!何をやっている!」

あ゛ー!いいところだったのに!
ヴェストのKY!馬鹿っ!
すっとんできたヴェストは俺とイタリアちゃんを無理やり引きはがす。
くっそー邪魔しやがって!

「イタリア!大丈夫か?!」
「あ‥う、うん‥」

俺の腕から開放されたイタリアちゃんは耳どころか首まで真っ赤にして
恥ずかしかったのか息を少しあらげて涙目になっている。
正直すっげーそそる。それはヴェストも同じなようでシャイなやつは直視できないのかそっぽを向いた。

「突然ごめんなイタリアちゃん。」

全く反省等していないがヴェストが凄い目付きで睨んでくるので一応謝っておく。

「う、ううん!別に嫌じゃなかったよ!ただ突然だったからびっくりしただけ〜」
「本当に大丈夫か?他に変な事とかされてないか?」
「うん!全ー然っ」

少しはにかんで笑うイタリアちゃんは正に天使のよう!
神はきっと地上に天使を落っことしたにちがいない!
にしてもヴェストは可愛くねー!実の兄に向かってあの態度!
ヴェストには絶っっ対イタリアちゃん譲らねえ!!
ニコニコと微笑んでいるイタリアちゃんの腕を引きつけ素早く唇を奪う。
柔らかいプニっとした感触が唇に触れる。

「っ?!///」
「、今のはさっきの相談料だぜ」「オスト!ッ!」
「別にいいだろ?ヴェストとイタリアちゃんが付き合ってるわけじゃないんだし」
「っ?!」

イタリアちゃん狙ってるのはおまえだけじゃねーんだぜ?とヴェストの耳元と囁く。
そして先ほどより真っ赤になっているイタリアちゃんにウインクを一つ。

「いつか絶対落としてみせるぜ!待ってろ、俺のお姫さん!」


「っ〜〜プロイセンのばか!//」

end


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