Um romance

□飴と鞭?
2ページ/4ページ

「おい、イタリア。」

「何〜?」

ヴェッヴェッと言う不思議な音を出しながら近付いてくる。

ガシッと腕を掴む。

「ヴェッ!?」

「今から訓練するぞ。」

「ぇ?」

「訓練する。」

「嫌ーっ」

「嫌ではない。」

いやいやと首を振る。

「お前は…」

あぁ、いざ誉めるとなるとなかなか難しい。

顔をしかめていると

「ヴェ?ドイツ?」

イタリアの抵抗が止む。

「イタリア、よく聞け。」

「ヴェ?」

「お前はやれば出来るやつなんだから少しなら訓練してもよかろう?」

一気に捲し立てた。

「でも…」

「訓練が終わったらお前のしたいことをさせてやるから。」

「ほ、本当に?」

「あぁ、本当だ。」

しばし沈黙。

「分かった、する。」

驚いた。

本当にイタリアが訓練をすると言うなんて。

「ねぇねぇ、ドイツ。早く訓練始めようよっ。」

「あぁ、分かった。」








***







「ヴェ〜…もう無理だよぅ…」

「いや、お前ならもう少しいけるはずだ。」

「でも…」

「もう少し自分に自信を持ってみろ。」

「ぅ、うんっ。」

今日はやけにドイツが優しい。

どうしたんだろ?

「ほら、あと一キロだ。もうお前は四キロも走ったんだ。すごいぞ。」

ほら、また誉められた。

現在五キロの持久走中。

始めは十キロだったけど文句を言ったらドイツは五キロにしてくれた。

「そうだ、イタリア。その調子だ。」

ほら、また誉める。

なんだかくすぐったい。

「ドイツー」

「なんだ?」

「俺、頑張るよ〜」

「ぁ、ああ。頑張れ。」

ドイツが嬉しそうな顔をする。

さぁ、ゴールまであと少し。





.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ