Um romance

□なんて名案
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自らの国を自慢するならば何と言っても“料理”だ。
炒飯、餃子、春巻と日本も勿論、欧州の国々でも親しまれる中華料理は中国にとって、国をアピールできる非常に大事な文化だ。

当然、自分の食べる料理は朝昼夜三食全てが中華である。

勿論、日本料理やフランス料理を口にする機会はあるが他国の料理と比べてみても中華劣ってると感じたことなどない。
むしろ、中華のほうがずっと美味しいと感じていた。

はずだったのに。



「‥我は何をやってるあるか‥」


目の前に広がる美味しそうに湯気をたてるイタリア料理の品々につい頭を押さえる。

特に意味は無かった。別段、イタリアンが食べたかった訳ではない。
ただ、いつものように料理をしようと台所に立っていたらいつの間にかこれらが出来上がっていただけだ。
ただ、少しほんの少しイタリアのことを考えていただけで。



「あーこんな大量の料理、食えねーある‥」



全く食材の無駄だ。
他の連合の奴らに食わせるのも癪だし韓国や香港に食べさせるのも気が引ける。

かといっていくら自分が食べることが好きだと言っても机の上から溢れるイタリアンを全部食すのはとうてい無理なことだ。



そこでふと、思いつく。そうだ、そうすればいい。

とても良い案だ。思いついた自分は天才か、はたまた秀才か。
料理は片づくし、おまけに彼と食事ができるなんて。なんて名案を思いついたのだ自分は。


きっと彼はこの量のイタリアンを見て、一瞬驚いたように目を開きついであの美しい微笑みを浮かべて「美味しそうだね」と言ってくれるに違いない。


浮き足立つ気持ちを抑え、中国は電話へと手も伸ばした。

end
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