Un roman

□I don't understand what your mean!
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「なぁアメリカ」
「んーなんだい?君のまっずいスコーンなら俺の口よりゴミ箱がお似合いだと思うぞ」
「ちげえよ、そうじゃなくてさ」


茶化されてもなにも言わないイギリスを不審に思って読んでいた雑誌から顔を上げる。
イギリスはなにやら神妙な顔で紅茶を淹れて、俺に差し出した。

熱そうに湯気を立てる香り高いそれを黙って受け取り口を付ける。
うん、美味い。イギリスが作る物の中でたぶん紅茶が一番美味いと思う。


「で、何さ?」
「俺、お前無しじゃ生きていけないかもしんない」
「ぶほぉっ!!」


予期しない言葉につい、飲んでいた紅茶を吐き出す。
今彼はなんと言った?


「わっと!ったく汚ねぇな、ほらハンカチ」
「いや、そんなことより!!今何て言ったの!?」


差し出されるハンカチを押し返し、半ば叫ぶように尋ねる。
もし俺の聞き間違いでなければ彼は相当恥ずかしい愛の言葉に近い言葉を言っている。
いや、でもそんなことを人一倍恥ずかしがり屋で意地っ張りなイギリスが言える訳がない、しかもしらふで。


「え?あ、ああ。俺は多分お前無しじゃ生きていけないな、と思って」
「・・それマジで言ってる?」
「?ああ」


顔色一つ変えずに答える彼にこちらが恥ずかしくなる。一体全体なんなんだいきなり!?
普段「好き」の一言すらなかなか言えないイギリスが、この俺すら恥ずかしいような台詞を臆面もなく、俺に言ったのだ。
信じられない、明日地球は滅亡するんじゃ無かろうか?

相当奇妙な顔をしていたのだろうかイギリスがまるで弁明するかのように慌てて言葉を付け加える。


「なんかこうしてお前といるときが一番しっかり呼吸ができるっつーか、いないと息苦しいっつーか」
「・・」
「お前がいない時もお前の事ばっか考えてるしお前に会えないと仕事も思ったようにはかどらないし」
「イギリス・・」
「もしお前が俺の生活から抜け落ちたら多分、俺生きていけない気がす・・」


イギリスがみなを言う前に彼の細いからだを掻き抱いた。イギリスの体が驚いたようにびくんと反応する。

彼が何故粋な利根なことを言い出すのか本当に訳が分からない。


でも、でも、でも、すっごく嬉しい!たぶん今自分の顔はだらしなくにやけていてそれでいて真っ赤でみるに耐えない有様だろう。
だって本当に嬉しくて嬉しくてもうどうにかなってしまいそうなのだ!



「アメリカ・・」
「イギリス、愛してるぞ」
「な!ば、馬鹿!そんなこと耳元で言うな!」
「・・君って意味分からない」

真っ赤な彼の耳を見ながらしみじみそう思った。


end
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