Un roman
□君の瞳に恋してる?
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ドイツの瞳は青。
綺麗で透き通るようなブルーは空というより海のようだ、といつも思う。
深く、包み込むようなその色は思慮深くてやさしいドイツらしい。
「ヴェ?そういえばドイツ眼鏡なんかかけてたっけー?」
険しい表情で資料と睨めっこするドイツの顔に黒いぶち眼鏡。
ドイツらしいごつくて質素なデザインで顔にあまりになじんでいて今の今まで気がつかなかった。
「ん、ああ。最近視力が落ちてな、細かいものを見るときはかけるようにしている」
「ドイツ老眼かよー」
「違う!近眼だ!」
怒ったように言う彼に少し笑ってしまう。冗談に決まってるのに。
それにしてもドイツは眼鏡がよく似合っていた。ただでさえきまじめそうな表情にきまじめそうに撫で付けられた髪、整えられた服装、そんな彼に眼鏡が似合わないはずがない。
「へーやっぱ似合うね」
「そ、そうか」
「うん、かっこいいよ」
「む‥」
「でも俺個人の意見としては眼鏡は無い方がいいなぁ」
不思議そうに顔を上げるドイツにテコテコと近づく。
レンズ越しの見える目。なんだか光が反射していつもより濁って見える。それでもまぁ綺麗ではあるけど。
「ドイツの目が直接見られないのは淋しいよ」
「っ‥」
眼鏡をドイツの顔からゆっくり外す。
驚いたように見開かれた瞳はやっぱり眼鏡が無い方が数倍綺麗で。
「俺、ドイツの目大好きだなぁ」
「〜〜っお前というやつは!」
いきなり腕が伸びて来てぎゅうっと抱きしめられた。
苦しかったけどなんだか幸せだったからえへへ、と笑っておいた。
end
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