Un roman

□嫉妬と執着は未来を作る
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俺は汚い事も知っている大人で恋人は純粋無垢な天使みたいな子供と呼んでもおかしくないイタちゃん。


「イ・タちゃん!」

「ヴェ?スペイン兄ちゃ、きゃっ!」


会議後に珍しく一人で帰るイタちゃんは首を傾げて俺の方を向く。

瞬間俺はイタちゃんを抱きしめた。
イタちゃんは女の子みたいな声出して真っ赤になって可愛いったりゃありゃしない!


「はぁぁ、イタちゃんは可愛いな」

「す、スペイン兄ちゃんくすぐったいよ〜」


擦り寄る俺にイタちゃんは茹で蛸状態。


「ごめんごめん、イタちゃんが俺に声かけてくれないから寂しかったんやで?」

「ごめんなさい、今日はロマーノ兄ちゃんが家に泊まりに来るからさ。準備の為に急いでて」


「ごめんね?」と謝るイタちゃんに首を振りながら心の中ではロマーノへ嫉妬心剥き出しやったりする。

イタちゃんは俺のなのにイタちゃんは何処か俺よりロマーノを頼るところがある。

ロマーノもイタちゃんを好きやから悪態つきながらも嬉しがる。

いつかお株を奪ってやる!と言うのが俺の目標。


「で?何日間ぐらいロマーノそっちへ?」

「一ヶ月だよ」

「一ヶ月も!?なんで!?」

「あぁ・・・い、色々と教えて貰うから」


歯切れ悪く頬を染めるイタちゃんに俺は良からぬ想像をした。



色々と教えて貰う?なんやそれ・・・


もしや!!!


『兄ちゃん、俺初めてだから俺』

『安心しろ、優しくするからさ』

『兄ちゃん、あっ』

『兄ちゃんじゃないだろ?』

『ロマーノ・・』


そうして二人は唇を重ね






「あかーーーん!!!!」


考えただけで嫌な話や。


「イタちゃん」


ロマーノは兄弟やけどイタちゃんを好きな気持ちは本物や。

・・・・俺なんかよりも、


「はっ!何言うてんねん、俺・・」


手放すなんて無理な癖に。





「いらっしゃい、イタちゃん」

「お邪魔します」


ん?な、なんやイタちゃん。
今日はやけにしおらしいってか・・



『色々と教えて貰う』




もしや・・・
イタちゃん大人になっちゃったんか?
別れ話か?


「ヴェ?スペイン兄ちゃん?」


首を傾げるイタちゃんに笑顔で首を振り中に招き入れた。



今日のイタちゃんはいつもより憂いを帯びていて儚げやった。


「はぁぁぁぁ」

「・・・・イタちゃん最近変やで?なんか痩せたし」


俺は覚悟して優しく尋ねる。


するとイタちゃんは困った様子を見せるからイタちゃんのシエスタの為にとホットミルクを提案するとイタちゃんの口から出たの注文は「ブラックコーヒー」

・・・イタちゃんはロマーノみたいにコーヒー飲めないはずなのに不思議に思い尋ねると、


「スペイン兄ちゃんに近付きたい!」


涙ながらに俺の為に大好きなシエスタまで絶とうとしていたイタちゃんが愛しくて仕方がなかった。


「ゆっくり成長しよう」


俺は懺悔するようにイタちゃんに俺の気持ちを伝えた。


「スペイン兄ちゃん大好き!」

「愛してる、イタちゃん」


俺達は手を繋ぎベッドでキスをしてシエスタをした。


俺の手を掴み安心した顔で眠るイタちゃん。

よっぽど疲れていたんやろう。


「俺幸せや」


こんなに想われて・・・


大丈夫、ゆっくり成長していこう。


俺達なら大丈夫や!


End
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