Un roman

□かぐや2
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かぐやを見つけてからというもの、お爺さんは竹やぶに入るたびに金を見つけてくるようになり次第にお爺さんとお婆さんは町一番のお金持ちになっていきました。

またかぐやも成長するにしたがい、その美しさには磨きがかかりもはやお爺さんとお爺さん以外の誰もが彼を女の子だと思い込んでいました。
15にもなるころには国一番の美女と呼ばれ、遠くの国からわざわざその姿を一目見ようと訪れるものでお爺さんとお婆さんの家の前にはいつも長蛇の列が出来ていました。
しかしそんな客達にかぐやは決して会おうとはしませんでした。
自分を女だと勘違いし鼻息が荒い男になど会うわけがありません。

一人、一人と並ぶものが減り、最後には五人の者しか残りませんでした。
彼らは一様にルックスは良くまた財力がありました。
一日も欠かさずに自分に会いに来る彼らを気の毒に思ったのかかぐやは彼らに会うことにしました。



「ヴェー!こんにちは、かぐやです」


現れた待ちに待った想い人に五人は歓声をあげました。
かぐやの姿は自分達が想像していたより遥かに美しく、全く期待を裏切ることがありませんでした。



「予想通り、すっごく可愛いんだぞ!」
「んー世界一の美女といっても過言じゃないね、お兄さんの好みどストライク」
「最高に可愛いアル!是非伴侶にしたいネ」
「べ、別に見とれてなんかないぞ!」
「うん、やっぱりすごく欲しいな」



思い思いの感想を言う彼らにかぐやは困ったように笑いました。
やはり彼らは自分を男だとは知らないのです。彼らからくる熱い視線がかぐやにはとても申し訳なくかんじました。



「あの皆さんは俺のことだと女の子だと思ってるだろうけど実は俺は男なんだ、だから伴侶とかはちょっと無理‥」
「へーでも俺は男でも大丈夫だぞ?」
「俺も、全然いけるわ」
「ヴェ、ちょ‥」


男と知っても迫ってくる彼らにかぐやは困ってしまいました。

end
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