Un roman

□生殺し
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イタリアには『シエスタ』と呼ばれるの習慣があるらしい。
シエスタとは3時になったらする昼寝でそれには服を脱がなくてはいけないという。

その事については随分前に弟に聞いていたから知っていた。




(だからってこれはない‥!)


背中に密着するイタリアの肌。直にくっついている分、直接彼の体温が伝わってくる。
背中にかかるイタリアの息や髪。
それだけで十分クるのにイタリアのコルシカと呼ばれる胸のしこりもあたっているのだからもうどうにかなってしまいそうだ。



(くそ‥生殺しかよっ!)


この状態になってから15分。
15分もの間我慢していた自分を褒めたたえたい。

といったって今だって正直前屈みだし、今すぐ後ろを振り返ってイタリアをぐちゃぐちゃに抱きたいくだいだ。
余裕なんてものはもうとっくに枯れ果てている。

布団から逃げ出しトイレに行こうにも後ろからイタリアに手を回され動こうとすれば起こしてしまいそうだ。



勿論シエスタに誘われた時にはテンションはあがった。
何て言ったって裸で一緒に寝るのだ。何もしないと分かっていてもモチベーションがあがるのは男として当然の反応と言えるだろう。

そして今、前屈みなのも男として当然の反応と言える。




「イタリアちゃん頼むから早く起きてくれ‥っ」


そんな切実な願いは背中ですやすやと眠るイタリアには届かなかった。


end
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