Новый

□キスして抱きしめて
1ページ/2ページ

毎日毎日一緒にいる。朝から晩までずっと一緒。
仕事や訓練があるときだって抜け出せる時は抜け出して一週間のうちでお前に会えないのなんてきっと多くて二日ぐらい。


それでも足りないと思っちゃうのはきっと俺が欲張りなんだ。





「プロイセン、キスしてー」



彼の膝の上でそうお願いすると間髪入れず唇に降ってくるキス。優しく触れるだけのキスはプロイセンがよくするものだ。
ふと息をするとミントの爽やかな香りが鼻をかすめる。
ちゅ、と軽いリップ音を立ててゆっくりと離される唇に瞼を開けると目の前には嬉しそうに満面の笑みを浮かべたプロイセンの顔。



「イタリアちゃん超可愛いー」
「ヴェープロイセンも超かっこいいよ」
「ケセセ知ってるぜ」
「ねーギューってして?」



お願いと見上げると腰のあたりに回ってきた腕にギューと抱きしめられた。


(あったかいなぁ)


抱きしめられると分かる彼の体温。自分だって低いほうでは無いのだがプロイセンはまるで子供の体温だ。温かい。

大好きだと思う、彼の腕の中が。あたたかくて優しくて、なんだかとても安心するのだ。



「ね、もう一個お願いー」
「全然いいけどよ、なんかあったのかよ?」
「んーとね、目を閉じた時にさ完璧にプロイセンを思いだせるようになりたいなぁって」
「は?」



目を丸くするプロイセンにくすくすと笑う。


触れた指先も笑い声も表情も仕種も優しさも体温も、瞳を閉じた時にいつでも完璧なお前を思いだせるようになりたい。
淋しくて眠れない夜にそっとお前を思いだしてお前と共にいる明日を夢見て眠るんだ。

だからさ、



「愛してるって言ってよ」
「やだ」
「ヴェ!?」



べーっと舌を突き出された口から出されたのは甘い愛の言葉ではなく拒否の言葉。まさか断られるとは思ってもみなかったので少々面を喰らう。
いつだって暇さえあれば好きだ愛してるだと言っているのに何故今に限って駄目なんだろう。

頬を膨らまして抗議する。



「えーなんでー?」
「会いに来ればいいじゃねぇか」
「ヴェ?」


今度はこちらが目を丸くする番。訝しげに彼を見つめていれば照れたように言葉をつけたす。


「淋しくなったらよいつでも言えって。すぐにイタリアちゃんとこ行くから」


なっ?と笑うプロイセンにかっと耳まで熱くなる。真っ赤になった顔を隠すように彼の肩に頭を乗せた。
プロイセンが優しく頭の後ろを撫でる。





「‥真夜中でもいいの?」
「もちろんだぜ!寧ろ大歓迎だっつー」
「もしかしたら朝早くかもよ?」
「イタリアちゃんに朝早くから会えるなんて最高じゃねーか」
「‥ありがとプロイセン」
「愛してるぜイタリアちゃん」


ちゅ、と頬にキスをされて耳元で囁かれたその言葉に俺も、とだけ返事をしてプロイセンの首に手を回した。


end
NEXT→あとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ