Ein Roman

□かぐや姫1
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今は昔、竹取を生業とするお爺さんとその妻、お婆さんがいました。
彼らの間には子供が出来ず、二人は犬を飼って暮らしていました。


ある日お爺さんがいつものように竹林に出かけていくとある一本の竹が光っているのを見つけました。


「こんな竹、始めて見たど。きってみっか」


不思議に思ったお爺さんはお爺さんとは思えぬ力で勢いよく竹を斬りつけると、中には恐怖のあまり気絶した子供がいました。
可哀想に思ったお爺さんはその子供をつまみ上げるとそのまま家にもって帰りました。


「あっおかえりなさ・・・ってうわわぁぁ!スーさん何持って帰って来てるんですか!?」
「ん・・子供」
「ゆ、誘拐はさすがに駄目ですよ!もとあった所に返して来なきゃ・・」
「誘拐じゃねぐて拾った」
「ベビーカーで寝てた子供を連れ来るのは拾ったとは言いませんよ!」
「でなくて、竹から出ていた」
「え?た、竹から?」
「んだ」


抜けているお婆さんがやっと状況を把握した頃には子供は目を覚ましていました。
お婆さんがきゃっきゃとはしゃぐ子供を抱え上げて微笑みました。
子供は茶色の美しい髪をしたまるで女の子のような容姿をした男の子でした。


「・・可愛いですね」
「ヴェッヴェッ!」
「ん、親いねえみてぇだし、俺達で育ててみっか?」
「そうですね、あ男の子みたいですし名前は血だる・・」
「かぐやにすっど!!」
「え?あ、はい。かぐや、ですか。素敵の名前ですね」
「・・んだべが」
「ヴェー・・」


お爺さんも小さく笑いかぐやの頭を優しくなでました。
かぐやはその手に安心したようにまた眠りはじめました。


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