Ein Roman

□それとこれとは話が別
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「イタリアアァ!!訓練を受けろおぉ!」
「いやあぁぁ!!俺には無理だよぉぉ!」



逃げ足の早いイタリアをどうにか捕まえる。暴れるイタリアの襟首を掴んで捕獲した。

訓練をサボったイタリアを捕まえにわざわざギリシャまで来たのだ。
絶対に逃がすわけにはいかない。



イタリアは訓練が嫌いだ。すぐに逃げるし、無理矢理参加させてもすぐに休む。
何度注意しても当人であるイタリアは全くもって聞く耳を持たないのだから当然のように改善される兆しはない。

何故イタリアがそこまで訓練を嫌がるのか、理解ができない。
イタリアが辛いことが嫌いなのは重々承知しているが、おそらく走って俺から逃げる方が大変だろう。




「なんでそんな訓練が嫌なんだ?!」
「キツいのやだもん!」
「ギリシャまで走る方が辛いだろう!」
「な、何だっていいじゃん!とにかく訓練は嫌なの!」



ぷいっとそっぽを向くイタリアにカチンとくる。と同時に絶対吐かせてやるという決意が沸々とわいてくる。

頑なに答えようとしないイタリアの飛び出たくせっ毛をむんずと掴む。
もちろんイタリアにとってその毛が弱点ということを知っての行動だ。



「ひゃっん?!ちょ、ゃ‥」
「ほら答えろ」
「や‥だぁ!」
「ほぉ」


ふるふると赤くなりながらも首をふるイタリアに口角を上げて、手の中の手を強く引っ張る。


「ひっ!やめっ・・」
「まだ喋る気はないのか?」
「ぃやぁっん‥ふっぁ‥やっわ、分かったから‥ぁ、離し、てぇ‥!」



よし、と呟き少し名残惜しいがくるんから手を離してやる。
やっと開放されたイタリアは上がった息を整えて、袖でごしごし目尻に溜まった涙をぬぐった。




「ドイツの意地悪〜っ」
「で、理由はなんだ?」
「‥言わなきゃ駄目?」
「もちろん」
「‥‥き‥‥だ‥こ‥から‥」
「は?」
「〜っ筋肉ついちゃったら抱き心地が悪くなっちゃうから!」



もー二回言わせないでよっと真っ赤になって睨むイタリアを呆然と見つめる。



「あ‥っとそれは‥」
「っドイツが!いつも最中に柔らかくて気持ちいいって言ってたから‥っ」
「〜〜っ!!」


俯くイタリアの体を無理矢理掻き抱いた。腕の中のイタリアの戸惑いがわかったが無視してその唇にキスを落とす。

目の前のイタリアが途方もなく愛おしかった。溢れてくる愛しさは止まることを知らず、それはそのままキスとなってイタリアに降り注ぐ。


何分経ったかも分からないがゆっくりと唇を離した。
イタリアが肩で息をしながら真っ赤な顔で俺を見上げる。




「‥ねぇ、理由いったから訓練もう受けなくていい?」
「駄目だ、それとこれとは話が違う」
「えーっ!酷い!」
「それに、お前の体は筋肉があってもなくても気持ちがいい」
「っ!?ドッドイツのえっち!」


end
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