Ein Roman

□だって気づかなかったんだもん
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(帰りてぇ‥)


会議に来て早々、始まってもいないのに家に帰りたくなる。
痛む腰に手を当て、眉間にシワを寄せる。腰は座ってるだけでずきずきと痛む。
痛みの理由は単純明白。昨日の夜、アメリカがもう無理だと言っているのにくたくたになって動けない俺を5回も付き合わせたのだ。そのせいで声はガラガラだし腰は痛い。

ハンバーガーを買いに行くとかで今は会議室にいないアメリカを恨めしく思う。



「‥マジに痛ぇ」
「イギリス、大丈夫?」


つい口にだすと隣に座っていたイタリアが心配そうに顔を覗き込んできた。
イタリアは珍しくドイツに引きずられ遅刻をせずに来ていた。しかしそのドイツも会議を資料をとりにどこかへ行っていた。



「大丈夫だ。少し腰が痛くて」
「わかった、昨日アメリカとHしたんでしょ?」
「なっ?!なんで‥?」
「俺も今日、痛いんだよねー腰。」



困ったように笑うイタリアに成る程、と納得する。恐らく昨日、俺と同じでドイツとシたんだろう。
どうりで俺の腰痛の原因がわかったわけだ。




「イギリス、何回?」
「‥‥五回」
「うひゃー、大変だね。俺は五回はもたないや」
「俺だってもたねえよ、なのにあいつが無理矢理‥」
「アメリカ、若いもんねー」
「ドイツだって大変だろ?」
「なんかドイツはスイッチ入ると凄いの、手錠とか首輪とか」
「まじかよ、さすがドSだな。俺も手錠はあるけど首輪はな‥」
「手錠って大変じゃない?痛いし動けないし」
「跡も残るよな!手首に赤く」
「そうそう!あと、目隠し!俺あれ嫌いなんだよねー」
「いつくるか分かんねぇし、表情見えねぇから怖いな」
「ねっ!てか最中に恥ずかしい事言うのもやだ」
「本当、言ってて恥ずかしくねぇのかって感じだよな」


「「今のお前達/君達のがよっほど恥ずかしいぞ!!」」


「「え?」」




いつ帰ってきたのかアメリカとドイツに怒鳴られ、ふと我に返り回りを見渡すといつのまにかアメリカとドイツ以外にも会議参加国全員がもう席について俺達の話に顔を赤くしたりニヨニヨしたりしていた。
あわてて真っ赤になって隣のイタリアをみると気づかなったねーと暢気に笑っている。

しかしそのイタリアもずんずんと歩みよってくるドイツとアメリカに嫌な予感を覚えたらしく少し後ずさる。



「イギリス、よくこんな大勢の前でこんな話できたね」
「イタリア、お前もだ。いつも人の目を少しは気にしろと言っているだろう」

「「え、ちょっと待っ‥」」


「「帰ったらお仕置きだ(ぞ)」」




その言葉に俺もイタリアも顔を真っ青にさせて顔を見合わせた。

次の日、俺達の腰の痛みは消えるどくろか悪化して立つことすら出来なくなっていた。

End

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