Ein Roman

□いつからだ?
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「な、なぁアメリカ!その・・お、お前っていつから俺の事好きだったんだよ?」
「さぁ?損なこと、忘れちゃったよ」


真っ赤になりながら尋ねてくるイギリスに目の前のゲームから目を離さずにあしらう。
どうせまた日本あたりにそそのかされたに違いない。


「忘れたってお前・・」
「あ、HP回復した」


何か言いたげなイギリスを無視してゲームを続行する。
その様子にイギリスも諦めたように口を閉じて俺のプレイする画面をつまらなさげに眺めていた。



(いつ俺がイギリスのこと事を好きになったか、ねぇ・・)

目の端で暇そうにあくびをしている恋人をとらえ、内心でため息をつく。
そんな衝撃的な事、忘れるはず無いじゃないか。



(鈍感・・)


昔からそうだった。俺がいくら好きだ好きだ、と言っても取り合ってくれないで子供扱いした。
キスをせがめば頬に、愛をほしがれば兄弟愛を押しつけた。



(そんなんだから独立されちゃうんだ)



小さい頃からイギリスは俺の特別だった。イギリスだけが俺の世界だったし、イギリスに感じる気持ちを誰にでも感じるものだ思っていた。
だから気づかなかったんだ。

でもフランスに出会って、カナダに出会って、俺の世界は広がった。背も伸びて遠くまで見渡せるようになった。
それでもイギリスに感じるようなチリチリとした甘酸っぱいような気持ちは誰にも何にも感じる事はなかった。



(ショックだったなぁ)


恋だと気づいた時はものすごく悩んだ。そりゃまさか自分がゲイだなんて信じられないし、信じたくなかった。
でも背を抜かしたときにはっきり分かった。


男とか女とか関係なく、イギリスだからイギリスが好きなんだ、と。



(結局俺は彼に一目惚れだったわけだ・・)


気づいてからもここまでくるのも長かった。
弟としてしか見てくれない彼から独立して、俺を拒絶する彼を一生懸命ほぐしていって、それでまぁ他にも色々会ったけど今に至ると。
改めて思い出すと自分は本当に良くやったと思う。


ぼぉーと何も無い空中を眺めているイギリス(もしかしたら彼には何かみえてるのかも知れない)を見ながらはぁーっとため息をつく。
俺の視線に気がついたのかイギリスがこちらを向いた。



「おいアメリカ」
「なんだい?」
「終わってンぞ、ゲーム」
「あ」


画面を見ると黒い画面に『GAME OVER』というテロップがでていた。



end
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