novel
□我慢は体に良くないです
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見てたらわかるの。伊達に一緒にいたわけじゃ無い。
ドイツが俺の事考えて、大事に思ってくれてるのは知ってるしやっぱり嬉しいこと。
でも大好きな人にもっと求めてもらいたくて―――
「我慢しないで?」
「なっ、」
まわされた腕の中で呟いた声にドイツが少し驚いた顔をした。ぎゅっとドイツのシャツを握る。
怖かったり恥ずかしかったりしてずっと言ってあげられなかった、いってあげたかった言葉。
「ドイツ遠慮してるよね、でもね俺の事もっと・・
ドイツの好きにしていいよ」
ドイツの腕に力が篭ったのがわかった。
あ、ドイツ照れてるんだ。少しだけ見える耳がトマトのように赤い。
「‥だめだ、俺はお前を傷つける」
ドイツが苦しそうに耳もとで呻く。
あぁ俺、すっごいドイツに思われてるんだ‥あらためてそう実感した。
心の中がフヨフヨする。だから余計ドイツに我慢してほしくなくなって。
「いいよ、傷つけても。ううん傷つけて‥
俺がドイツのものって証をちょうだい‥?」
「お前はっ!俺がどれだけお前の事が好きだか分かってないんだ!俺はできるならお前を閉じ込めて俺だけを見ていろと命じたいぐらい‥
死ぬほど愛してるんだ」
今度は俺が真っ赤になる番。ドイツ、本当に俺の事好きなんだ!
嬉しくて恥ずかしくて体が蒸発しそう。
でも死ぬほど愛してるのは俺だって同じ。
「俺もそうなんだよ!いつだってドイツと一緒に、っいたくてドイツが他の人としゃべってるだけでつ、辛くて‥。」
途中から涙がでてきた。
でも今は目から零れてくる水滴を拭ってる暇なんてなくて。
「俺だって男だよ!そんなすぐ壊れたりしない。
ねぇ!大好きな人に我慢されるの、すごく辛いんだ‥」
「イタリア‥」
ドイツのごつくて長い指が俺の涙を優しく拭う。
その動作だけで俺はすごく安心した。
ああ俺もドイツが本気に心のそこから好きなんだ。
「本当に‥いいのか?俺は‥きっと痛くしてしまう」
ドイツの声が珍しく震えてる。
俺が痛いのが嫌いなの、知ってるもんね。いいよ、そう囁いてドイツの首に手を回した。
大好きなドイツ。ホントに大好き。
だから俺が君を求めちゃうのと同じぐらい俺の事、求めて。
理性なんて邪魔なもの吹っ飛ばして‥ね。
end
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