少年陰陽師
□繋ぐのは神
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顔を上げると、そこには十二人の…
「…誰?」
十二の呆けた美貌があった。
紅に蒼に鳶に藍…
其々の個性が其々に生かされている服。
逞しそうな青年や生気の漲った老人や気の強い感じのする少女や…
青年―昌浩が驚愕の表情を表すのには十分過ぎる面子の揃い具合だ。
「…紅」
中でも一際昌浩にとって輝いて見えたのは、十二人の先頭に居る紅い青年。
褐色の肌と野生じみた雰囲気が―――――懐かしい。
「…ぐれん?」
知らぬ間に唱えた名前は彼に一番合いそうだと昌浩は呑気に思った。
「紅蓮に宵藍…彩輝…」
次々と名が思い浮かぶ。
懐かしい様な…其れでいて、少し寂しい様な不思議な心地良さ。
少しずつ思い出す…脳内に浮かぶ光景。
「……十二神将?」
恐る恐る手を伸ばして。
硬直してしまった彼の腕を昌浩はそっと掴んだ。
「―――久し振り」
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