少年陰陽師
□泣かない訳
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「―――や、」
庭に咲く花を嬉しそうに眺めていた子供は視線を移動させる。
「なぁに?おじいちゃん?」
キラキラと光る其の瞳は子供の純粋さと素直さを惜し気も無く晒していた。
眩しいものを見る様に目を細めた老人は静かに口を開く。
「…少し、昔話をしてもいいかのう?」
「むかし、ばなし?」
「嗚呼」
遥か彼方…まだ、この幼い童子が一少年として活躍していた時代――
老人は柔らかく微笑んだ。
「遠い遠い…昔の御話を…」
昔々のまた昔。
一人の少年と一人の神様がおりました…