少年陰陽師

□鬼
1ページ/19ページ

雲が空を覆い隠す今日。


都中に死の気配が漂う。



暗く沈んだ屋敷で、



彼を慕っていた者…愛していた者…大切に想っていた者全てが彼の為に涙を流した。



もう一度…彼のあの暖かな笑顔を見たい――。



――彼に会いたい。



――あの奇跡を…もう一度…!



二度と叶わないであろう願いを皆が願う。



其れが彼自身を捕らえる鎖になるとは知らずに―――…。





稀代の大陰陽師安倍晴明の末孫であり、後継であった彼―安倍昌浩。





僅か十七歳でこの世を去る―――――…。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ