桜 恋 −SAKUKOI−

□貴方と共に
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幸村の後を追って甲斐を出てから四日程過ぎた。
お金は持って出たので宿に困る事は恐らく無いだろう。
だが、雪姫は困っていた。





幸村が何処へ向かったのか全く分からないのだ。
外に出る機会の少ない雪姫は屋敷の近くの地理が分かる程度。
地図を持って来れば良かったなと思いつつ雪姫はゆっくりと馬を走らせた。





「お馬さん、ごめんなさいなのですよ。
私が行き先を知らない所為で余計な体力を使わせてしまって・・・」





自分を乗せている馬に雪姫は申し訳無さそうにそう言った。
すると、馬は「そんな事無いよ。大丈夫だよ」と言うようにヒヒーンと鳴いて見せた。
自分を慰めるように鳴いて見せた馬を見て雪姫は「ありがとうなのですよ」と言って笑う。








「(兄様・・・佐助さん・・・・私もお二人のお手伝いがしたいです。
たとえ、この行動が自分の命を縮める事に繋がったとしても私は・・・)」





















ほんの少しでも長く皆様の側に居たいんです。
そして、あの人の側にも・・・――。
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