天 下 覇 道
□やり場の無い怒り
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次の日、宿屋にやって来た初老の男厳に案内されて山間の寂しい道を馬で移動していた。
「私の両親とやらは随分と寂しい場所に住んでいるようだな」
「元々奥州でも名高い武家だったのですが、今はもう・・・」
氷澄がそう呟けば厳は苦笑いをしてそう答えた。
そんな二人の後を政宗と小十郎は付いて行った。
最初は厳に拒否されそうなったが氷澄がこの二人も同行で良いと言ったので四人で向かう事になった。
暫く進んでいくと道が開け広い場所に出た。
そして、そこにはこじんまりとした屋敷が建っていた。
「あの屋敷が氷澄様のご生家である篠宮家ですよ」
厳はそう言って屋敷を指差す。
氷澄は無表情のままで自分の生まれたと言う屋敷を見た。
そんな様子の氷澄を見ながら政宗は思った。
「(捨てた娘に今更会ってどうするつもりだ?何か裏がありそうだぜ・・・・)」
そんな考えをしている間に一同は屋敷へとつき、厳に中へ案内された。