天 下 覇 道

□月夜の彼女
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それはもう数年前のこと。
政宗が伊達家を継いで1年ほど過ぎた時だった。


山賊討伐のため、奥州中に馬を走らせていた政宗と小十郎。
ある日、山賊の討伐を終えて仙台城に戻ろうととある山を通り過ぎようとしていた。




「Hey,小十郎。さっきの山賊を取った時の動きはなかなかだったぜ」

「お褒め頂き感謝いたします、政宗様。
今日はもう遅い、急ぎ仙台城へ戻りましょう」

「Ah,そうだな」




二人がこんな会話をしていた時、そう遠くない場所から大勢の人の気配がした。



「小十郎、分かるか?そう遠くねぇ場所に人が集まってやがる。
それも相当な人数だ」

「えぇ、離れていても分かるとは・・・相当な人数かと。
ですが、今戦う事は余りお勧め出来ません」

「Ha!何言ってやがる、小十郎。Partyの始まりだぜ!!」



好戦的になった政宗は小十郎の意見を無視してその場所へ向かおうとした。
だが、あるものを見て固まってしまう。



「?政宗様、如何なされた」


不審に思った小十郎は政宗に声をかけた。


「おい、小十郎。あのgirlは誰だ・・・?」



政宗の視線の先には毛並みの美しい馬に乗る一人の少女と彼女と歳の近そうな少女が一人。
この山の切り立った崖のような場所に平然とした様子で居たのだ。
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