獄ツナ
□お泊り大作戦☆
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0日目
どうしよう。
無駄に汗を流しながら俺は隣りにいる人をちらりと見た。何も気にしていない天使な表情づ俺が入れたココアを飲んでいる。
しかも、俺愛用のコップで、俺愛用のクッションを抱き締めながら。
うわ、何だこれ。死にそー。
そう、今俺の部屋で無防備にいるのは愛するお方、10代目。恐れ多いことに一か月前からお、お、お、お、お付き合いしている。
「獄寺君」
「は、はい! 何ですか?」
「……声大きいよ。あのさ、いつも暇な時は何してるの?」
キョロキョロと小さな顔を動かして辺りを見渡す。いわ、可愛い。
確かに俺の部屋は10代目の所より物が大分少ない。時間を潰す物がそこまでというほどないが。
「そっすね、大体はダイナマイトの手入れを」
「いつもそんなことしてんだ…。一人暮らしって楽しい?」
「まぁ、気楽でいいっすけど、面倒なこと多いっすよ。ゴミとか掃除とか、お金もかかりますし」
そうだよなー、と何か考えながら呟く10代目。一体何を考えてるんだろうか。まさか、一人暮らしを?
いや、リボーンさんがそんなことさせるわけないし。
ふと、空になったコップが目に入り、立ち上がる。
「おかわり入れますか?」
「え! いーよ、もう」
「ですが」
「いいから! ………隣りにいてよ」
俺の服の裾を掴んだ状態で赤くなる10代目。その姿と言われた言葉に頭がヒートする。
は、反則っす。10代目。
抱き締めたいけど、まだ手も繋いだこともない俺には、そんな大それたこと出来ず、この日も何もしないまま終わった。