獄ツナ
□どきどき *
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「俺………かっこよくて、強くて、寛大な10代目が大好きです」
突然の言葉に綱吉は目を見開く。隼人はそんな綱吉の表情を窺うようにちらちらと視線を向けながら言葉を続ける。
「だけど、10代目は男で、渋くて、だから必死に言わないよう堪えていたんです」
「え? え!」
話しの流れが掴めない綱吉はただその率直な告白に更に顔を赤くする。隼人は珍しく真剣な表情で綱吉の肩を掴んだ。
「すいません! 俺…10代目が、女だって気付いちゃいました」
「――――!!」
「抱き上げる時に」
口ごもる。何ともわかりやすい。
嘘! そんなおっきくないし、目立たないから大丈夫だと思ったのに!
「さ、触った?」
「す、すいません! しかも唇まで! 俺、腹切ります!」
「わぁ! シャレになんないから!」
立ち上がる隼人を押さえると、反動でそのまま二人共倒れる。頭を打たないように綱吉の身体を抱き締めた隼人はまた硬直する。
今日は何のラッキーデーだろう。と密かに喜ぶ。
「死んだら許さないから」
「………」
「どんな時でも…俺の側にいてくれるんだろ?」
右腕として、ずっと守ると彼はいつも言っている。いつの間にかその言葉を支えに綱吉はこの道を歩んでいた。
「10代目?」
「俺、獄寺君が好きだよ」
どくん、と互いの心臓が跳ねる。そのまま見つめ合って、綱吉は目を不意に閉じた。
静かに、また唇が合わさった。
やっぱり、このお方は……。
「………は、10代目。俺ずっと側にいます」
「う、うん」
「だから結婚して下さい!」
え、いきなりプロポーズ!!
淡々と進むラブラブな関係に、綱吉は目まいを起こしたのだった。
end