企画小説
□肝試し
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「結構何もないね」
「何ですか? あんなに震えてたのに何か出てほしいんですか?」
「な、そんなんじゃない!」
離れることは出来ないのでとりあえず首を回して視線を外す。
「…にしても毎回こういうことしなくていいし。前回なんてランボがペアでしかもロメオ出て来るし」
「クハ、それは最悪ですね。でも今回は僕と一緒で最高じゃないですか」
自分でそういうこという骸が少し羨ましいと思った。ちらりと下から覗き見て、綱吉は小さく呟く。
「お前も………そう思うのか?」
「―――っ」
意外な台詞に骸は思わず言葉を失う。お前もということは少なくても綱吉自身はそう思っているわけだ。
ヒヤリ
「ひゃぁ!」
首筋に何か冷たいものが当たり、骸にしがみついた。先程の言葉で油断していた彼はその衝撃でよろける。
「ちょ、暴れないでくだ―――」
がくんと地面が歪む。視界も共に下がり、落ちた。見事綱吉の下敷きになった時、やっと落とし穴に落ちたことに気付いた。
「いてて、大丈夫か? 骸」
「君のせいで落ちたじゃないですか。まぁ、でも君に乗られるのも中々……」
「何の話だ! 何かお前と一緒に回る方が怖くなってきた!」
逃れようとするがもちろん骸が放してくれるはずもなく、結局そのままになる。
ふと脇に落ちているものを見やればそこにはコンニャクがあった。
「君…これに驚いたんですか?」
「悪かったな」