企画小説
□肝試し
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頼りになる光源は手に持つランプ。本当に何か出そうなその雰囲気に綱吉は顔を引きつらせた。
「おや、怖いんですか?」
「ち、違うよ!」
馬鹿にされたのが悔しくて咄嗟に嘘を言う。
大体こんなことをわざわざ行うなら以前と同じくディーノあたりが用意してるんだろう。そう思い込んで気持ちを落ち着かせた。
「にしてもさ、かなり異様なペアだったよね」
武と恭弥、隼人と了平、ランボなんて何故か一人だ(おそらくリボーンが陰から見て笑うために)。
「そうですか? まだ妥当な感じでは? 僕はあの雲と同じじゃなくてよかったと思いま
すが…」
確かに、それは言えてる。が、ここで自分と骸が二人きりなのも何か危ない臭いがする。
ふと気がつけば骸はどんどん先に進んでいた。慌てて駆ける。
「ちょ、待ってよ、むぐぅ――!!」
段差に気付かず、足を引っ掛けた。無様に土へとダイブした。
「全く君は本当に鈍臭いですね。君に負けたと思うとやるせないです」
「悪かったな! いっつ」
本当に間抜けなことに今ので足を挫いたらしい。どうしようと苦い表情で思案すればいきなり身体が宙にういた。
「仕方ないですね。しっかり掴まってて下さいね」
「な、ちょ!」
横抱きにされたことに綱吉は慌てる。これは恥ずかしい。
「さ、ついでにここらで契りでも交わしますか」
「おま、それ意味違うだろぉぉぉぉぉお!!」
違うことで肝が冷えていく綱吉は、ここをどう切り抜けるか考えなければならなかった。