企画小説

□肝試し
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頼りになる光源は手に持つランプ。本当に何か出そうなその雰囲気に綱吉は顔を引きつらせた。


「君、霊なんて信じてるの?」

「えっと、信じてるっていうより、そういった者がいたら対処に困るといいますかぁ」


だらだらとどうでもいい説明をするが、恭弥はどんどん先に行く。一人で話しているようで何か空しくなった。
考えてみればこんなことをわざわざ行うなら以前と同じくディーノあたりが用意してるんだろう。


「にしても、かなり異様なペアでしたね」


武と骸、隼人と了平、ランボなんて何故か一人だ(おそらくリボーンが陰から見て笑うために)。


「…まぁ、さっきみたいに群れているよりはマシだよ」


はは、と乾いた笑いを浮かべる。二人は群れに入らないようだ。


「雲雀さん、今日は付き合わせてすいまぁぁっ!!」


段差に気付かず、足を引っ掛けた綱吉はそのまま土にぶつかる。はずだったのだが、寸前の所で恭弥に抱き留められる。


「あ、りがとうございます」

「別に。早く行くよ」


素っ気なく答えて歩き出した彼に綱吉は慌てて近寄る。わかりにくいが恭弥は優しい。しかも何気に照れ屋だ。
気付かれないように靡く学ランを掴んで、微笑んだ。
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