企画小説
□肝試し
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頼りになる光源は手に持つランプ。本当に何か出そうなその雰囲気に綱吉は顔を引きつらせた。
「大丈夫です! 俺がついてます」
「獄寺君、声震えてるよ…」
がたがたと身体を震わせる彼に何故か次第に恐怖が消えていく。
大体こんなことをわざわざ行うなら以前と同じくディーノあたりが用意してるんだろう。
「にしてもさ、かなり異様なペアだったよね」
武と了平、恭弥と骸、ランボなんて何故か一人だ(おそらくリボーンが陰から見て笑うために)。
「そうっすね、骸と雲雀なんて一緒にいさせるだけヤバイんじゃないっすかね」
確かに、その時点で霊すら逃げる戦いへと発展するだろう。
「あ、10代目、ここ段差がぁっ!!」
「獄でぇ!!」
段差に気付きながらも何故かコケた隼人につられてか、綱吉も何もない所でコケる。
「ごめん、獄寺君、大丈夫?」
「はい、10代目も大丈夫ですか?」
土まみれになった互いを見て思わず苦笑した。霊に会う前からこんなんで大丈夫なのだろうか。
「手、繋ぎましょうか? それなら慌てませんよ」
「あ、うん」
自分よりも一回り大きな手を握って、冷えるどころか余計に熱くなった身体をどうしようかと悩んだ。