ムクツナ

□指輪と関係
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「しかし、僕からこれを取るということは、僕をボンゴレから解放することと同じですよ」


付け加えられたそれに綱吉は微かだが目を細める。ギュッと渡されたリングを握って、骸を見つめる。
その目には迷いなどない。


「それでもいい。元々お前はボンゴレとは関係ない。だけど、………お前に殺られるわけにはいかない」


今は、まだ。そう呟いて背中を向ける。その空気に一瞬悪寒を感じて、骸は咄嗟に彼の腕を掴んだ。
驚いたように振り返れば、骸自身も少し目を丸くしていた。


「骸?」

「………では、誰にも殺られないで下さいよ。君は、僕が―――」


そこまで言えば、綱吉は儚く微笑んだ。昔にはない、不安になるような笑み。
何かを悟った微笑み。
無言で去り行く彼をそれ以上止めることもできず、骸は立ち尽くした。


不安が消えないというのに。


「沢田綱吉………」


君は、いつからそんなに…諦めたような笑みをするようになったのですか?





骸から渡された指輪を握り締めて、綱吉はボンゴレアジトに戻る。冷や汗が止まらない。心臓は未だに苦しいくらいフル活動していた。


「ごめん、骸」


多分それは………。


何かを確信して、綱吉は笑う。
泣きそうな顔で………。





 
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