ムクツナ
□俺とデートしよう!
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天気のいい休日の朝。骸はそれでもあの薄暗い部屋の中でソファに座り込む。
時計を確認すればもうすぐで10時だ。ポケットに入ったままのチケットに触れて、一回思案する。けれどやはり立ち上がる気はさらさらなかった。
「一体、どういうつもりなんでしょうかね」
いつもおどおどと怯えているはずの綱吉が突然とったこの行動を理解できず、やはりまた溜め息をついた。
真っ暗な空。誰もいない広場。閉園という札が立てられた遊園地を見やり、彼は一つ息をついた。
足、痛い。
我慢できずにしゃがみ込んで、同時に込み上げてきたものに口を結んだ。
「全く、馬鹿でしょう…貴方」
「――――!!」
もう諦めかけたそれに機敏に反応して、綱吉は顔を上げる。呆れた表情を浮かべた骸はゆっくりと綱吉に近付いた。
「僕に2枚ともチケット渡したら、本当に損じゃないですか」
「お前が来ないなら、誰かと行っても意味ないだろ…」
涙目で睨み付ける彼に更に理解できないと言う顔をした。
「何故僕を誘うんです?」
「決まってんだろ? デートなんだから、好きな奴と行くもんだろ」
平然と言われた内容に骸は目を見開く。
好き? 誰が、誰を?
一回では理解できない。だけど、綱吉の目を見ると至って真剣だ。