獄ツナ

□どきどき *
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誰よりも強くて
誰よりも優しくて
誰よりも寛大なあの渋くかっこいいお方を
お慕いしてます



ある休日のある時間。獄寺隼人は沢田綱吉を抱き上げた状態で硬直していた。
過程はこうだ。いつものように隼人は綱吉の家にお邪魔していた。いつの間にか部屋に二人きりとなっていたが、ぽかぽかとした陽気のせいか、綱吉はすーすーと寝息をたてて眠ってしまった。
ベッドに寝かせてあげようと、起こさぬように抱き上げた。そこで、触れてはいけないものに触れたのだ。
思考は停止して、ただ時間だけが過ぎる。


「ん…」


瞬間、心臓が爆発する。綱吉の身体に振動を与えぬようゆっくりと顔を覗き込む。穏やかな表情で規則正しい寝息をまたたて始めたことを確認し、一気に安堵する。
とりあえずこの態勢は非常にまずいと、彼は綱吉をベッドに寝かした。


落ち着け。
俺はこういった時落ち着きがねーから10代目に迷惑をかけるんだ。


何度も深呼吸を繰り返して早鐘を打つ心臓を落ち着かせる。


………。
さっきの、一体。


隼人は自分が触れたものについて考える。男では決してないものが、綱吉にはついていた。
今まで全く気付かないほど小さく、わかりにくいが、確かにあの感触はそれだった。


って、何か変態臭い。


そんなこと考えている自分に嫌悪を感じて、隼人は苦笑する。



 
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