もらい物と捧げ物とコラボ物
□空回り
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「なんなの」
はぃ…??
何の前置きもなく不機嫌な様子でそう言われた。
校門に立っていた雲雀が、通り過ぎた綱吉の腕を掴んでそれ以上進む事を阻んだのだ。
「ひっ…ひばりさん、」
俺まだ遅刻じゃないです。
風紀強化週間でもないし、まだまだ予鈴には余裕のある時間だ。雲雀さんとこんな時間に鉢合うと分かっていたなら、むしろ裏門に回っていた。
それほどに
「君、僕の事避けてる。」
言われた途端、カッと顔が熱くなった。
「さわだ」
彼の声が責める様に聞こえるのはきっと俺の自惚れだ。
「避けてって…だって遅刻もしてないですし…」
貴方に捕らえられる理由なんて。
「それが避けてるって言ってるの。なんなの、だって先週までは…っ」
そこで雲雀は言葉をつぐんだ。どう形容していいのか分からない。自分達の関係の名前だって知らない、
でも
「先週までは可愛かったのに…」
腕の拘束が緩くなった隙を見逃さず、綱吉は雲雀の制止を振り切って走った。その為に雲雀の小さな声を聞く事は叶わなかった。