もらい物と捧げ物とコラボ物

□幸福永久論日
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一年に一度しかないこの日が嬉しくなった。





幸福永久論日





ふあ、と欠伸をすれば余計に眠気が誘われ、雲雀は机にのる報告書をじとりと見据える。
毎日毎日同じような莫迦な奴らが学習せずに問題を起こしていく。それは雲雀にとって不愉快以上の何物でもなく、仕事を増やしてくれた愚鈍な輩に苛立ちが募った。

世間一般では連休最後、つまりゴールデンウイーク最終日な訳だが雲雀にはゴールデンもシルバーも関係無かった。
並盛一番風紀一番な雲雀に休みなどという腑抜けたことは有り得ない。よって毎日相変わらずに応接室に通っているのだが、やはり退屈なものは変わらない。
同じような内容の報告書に反省文。そんなもの見飽きたというように雲雀は自分の頭の上にいるヒバードに構い始める。
黄色の小さいふわふわしたヒバードは、雲雀のお気に入りだ。
校歌を歌うことも出来るし、何より賢い。多少歌が音痴であろうとそれはそれで和む要因の一つだと雲雀は思っていた。





暫くヒバードを構っていると、控え目にドアをノックする音がして雲雀は目を細める。
せっかくヒバードによって癒された苛立ちは、突然やってきた来訪者によって再度膨れ、次の瞬間雲雀は間抜けにも驚きの余りキョトンとした。



「えっと〜・・・、えへへ。来ちゃいました」

「・・・・・・・・・綱吉?」

「はい!雲雀さん、風紀委員のお仕事お疲れ様です」



にこりと微笑む綱吉が応接室に入ってきても、雲雀はいまだに状況が理解出来なかった。
普段生徒は特別なことが無い限り休日は学校に近付かない。勿論それは綱吉とて同じだった。
それなのに何故か、自分の目の前にいつまでも可愛らしい恋人がいる。少しいつもより長い連休によって会えなかった綱吉が学校にいることが、雲雀には訳がわからなかった。
雲雀は首を傾げて綱吉の周りを飛ぶヒバードをぼうっと眺めた。
そんな雲雀に慌てて何かを取り出すと、とてとてと前に立ち、綱吉は雲雀の頬にキスをした。
それに固まる雲雀は、先程から自分の求めたものばかりが押し寄せてくるのを何の前触れかと本気で考え出す。





 
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