企画小説

□君となら、共にいよう
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「ねぇ、そろそろ君を逮捕してもいい?」


人の気配が極めて少ない、ボンゴレアジトの一室に彼はいた。優雅にソファに腰掛けて、目の前にいる彼にそんなことを言った。


「オレを? 何故?」

「僕の部屋で勝手に寛いで、そんな格好しているから」


ここは雲の守護者であるアラウディの私室。その場所に当然のようにいるボンゴレボスのジョットは勝手に浴室に入り、バスローブ姿で勝手にお茶も飲んでいる。


「猥褻行為で逮捕するよ」

「イタリア人がそんなことを気にするな。まるで日本人みたいだぞ」

「君の突っ込み軽くズレてるよね」


言われても直す気のないジョットに、アラウディは溜め息をつく。同じ性別ではあるが、彼は妙に色香が漂っている。
その為か、軽く目のやり場に困る。


「何だアラウディ。もしかしてオレを抱きたくなったか?」

「……君のそういうとこ嫌いだよ」


にやにやと笑いながらこちらを見つめる彼に、アラウディはそっぽを向いた。
考えてみればいつ自分はボンゴレの守護者になったのか。気が付けばジョットが近くに現れ、しつこく付きまとい、いつの間にか守護者になっていた。
だからといってボンゴレの為に動こうなんて考えたことなんてない。


「知ってるかアラウディ」

「何?」

「オレはお前を愛してるんだぞ」


唐突な言葉に照れるのではなくアラウディは眉を寄せた。いつもいつも彼の言動は読めない。
ジョットはそっと近付いてアラウディの顔に触れて、色素の薄い髪にキスをする。


「そんなの知ってるよ」

「ほう、」

「僕のこと好きじゃなかったらそんなに必死に来ないでしょ」


ぐっとジョットの手を掴んでアラウディはそのままそこのソファに押し倒した。上に乗っかる彼を微笑みながら見つめる。


「だから、君は僕の物なんでしょ?」

「何を言う。お前が守護者なら、お前がオレの物だろう?」

「冗談じゃないよ」


ぐっと唇をキスで塞いで、アラウディはにやりと笑う。


「君から生け贄に立候補したんだ。それなら、君が僕の物だよ」


頑固者と内心で呟いて、ジョットは目を閉じる。降り注ぐキスの甘さに、彼の気持ちを読み取って、読み通りの状況に笑った。





君が僕の物になるなら、

共にこの道を歩んであげる。





言葉にしない愛の囁きは、密かにジョットへと届く。
そして二人は言葉のいらないその行為へと溺れて行く。





えんど

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