企画小説

□二人で築く未来の為に
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またか。


微かに聞こえてくる騒ぎに彼は深く溜め息をついた。これで何回目か、わからない。
ボンゴレを創ってからまだ日も浅く、集めた仲間達は信頼はできるが、繋がりのない者達ばかりで、何度も喧嘩を繰り返している。


「あの力を仕事に回してくれりゃぁ、文句もねぇんだがな」


一人呟いて、Gはもう一度溜め息をついた。仕方なく立ち上がって場を治める為に扉に向かえば、途端に声が止んだ。思わず立ち止まれば、同時に扉が開いた。


「てめーか、ジョット」

「何だ、ここにいたのか」


犯人を理解して、Gは笑う。椅子に座りなおして、懐から煙草を取り出した。ジョットはそんな彼の横まで歩いてきて、火をつけたばかりの煙草を奪い取る。


「おい、何すんだよ」

「最近吸い過ぎじゃないか?」

「ストレス溜まってんだよ」


がしがしと頭を掻いてぼやく彼に苦笑を漏らして、ジョットはそっと彼の顎をすくう。そして流れるように唇を塞いだ。


「──っ、なっ!」

「今はこれで我慢しろ。お前が体調を崩したら、俺も困る」

「……っ、わかったよ! 大体なぁ、あいつらが喧嘩ばかりするからいけないんだ」


吐き捨てるように文句を言う彼にジョットは苦笑した。まだ色々と準備しなければいけないことが山積みで、それなのに喧嘩ばかりする仲間に余計に時間を取られる。


「喧嘩をするということは、それだけお互いにお互いの信念をぶつけているということだ。そのうちに仲良くなるさ」

「…だといいけどな。そういやぁ、おめーも最近食欲落ちてんだろ! 夜寝てんのか!」

「問題ない」

「お前の問題ないは問題ありありなんだよ」


食いかかるGにジョットは微笑みながら視線を外す。こういう態度を取る時はいつも何を言っても聞かない。
だけど、今回は彼も引くわけにもいかずに、ジョットの襟を掴んだ。


「G? 何をっ──」


ぐいっと唇を押し付けられて一瞬思考が停止する。自分がした後に同じようにやり返されるとは彼も思っていなかった。


「……、今日は早く寝ろよ。そうだな──八時だ」

「いや、それは早過ぎだろう」

「八時だ!」


譲らない主張にジョットは息をつく。しばらく思案した後、彼はにやりと微笑んだ。


「そこまで言うなら、お前が一緒に寝てくれるんだろう?」

「は?」

「お前も一緒に寝てくれないなら俺はそんな時間に寝ないぞ」


さぁ、どうする? と言わんばかりに彼は笑う。毎回彼の言動や行動に振り回されてばかりだと、Gは頭を抱えたくなった。


「わぁかったよっ! 寝てやるから、ほらさっさと仕事に戻るぞ!」

「あぁ、そうしよう。夜が楽しみだな、G」

「言っとくけど、添い寝だからなっ! じゃないと意味ねぇんだから!」

「一体何を想像してるんだ? お前は」

「くっそ、お前のそういうとこムカつくぜ!」


何よりも、誰よりも、お互いを理解している二人は、今日も力強くボンゴレを支える。いつしか、二人のその姿に感化され、仲間達は一丸となってボンゴレを動かしていく。




えんど

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