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□2010.1 5927+お正月小説
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拍手感謝小説
【雪降る夜に】
一月の夜、もうすぐ学校が始まるまだ冬休みの日。俺は一人部屋にいた。
携帯の画面を見ながら、メールの返事を待つ。いつからだったのか、少し記憶が曖昧だけど、相手とはいつの間にか付き合ってる。
こういった、会えない時はメールで会話する。
「あ、きた」
届いたメールに目をやると、不思議な文面が出てた。
人→☆
「何これ」
意味がわからなかった。やっぱり獄寺君は理解出来ない。
ずっと悩んで、悩んで、そして何となく閃いたことを実行してみる。
部屋のカーテンを開けて、窓を開く。そこにはいくつもの輝きが空に散らばっていた。
「わぁ」
ちらほらと視界をかすめるのは白いもの。
今日は冷え込むと思った、と綱吉は何となく納得してしまう。手を延ばして触れれば簡単に水になる。
「何か……獄寺君みたい」
ぽつり、と呟いて笑う。会話をしてなくても、ここに君がいなくても、思い出す。
いつから、こんなに君が好きなんだろうか。
「あ、返事しなきゃ」
携帯を握り締めて、俺も同じような文面にした方がいいのか考えた。だけど、そういったものに頭を使えるほど、よくない。
「んー」
閃いて雪景色を写メる。こういった景色はやはりあまり上手く写らない。少し残念だけど、仕方ない。
そのまま送信ボタン押した。
「明日、積もるかな?」
明日は冬休み最終日。こういう日に雪が積もった道を君と散歩するのもいいかもしれない。
「早く明日になればいいのに」
呟けば携帯が鳴る。素早く開いて文面をみれば、自然と笑ってしまった。
明日積もったら、散歩でもしましょう?
本当、考えてることが同じだな。
うん、とだけ返事してまた雪を見る。勢いよく降り続ける雪は、とても綺麗だった。
「冷たいのに、寒いのに、人を喜ばせる………すごいよな」
苦笑して、俺はしばらくその場にいたことを、覚えてる。