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□2009.10 ツナ♀
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【その声で…】





甘そうなハチミツ色の髪。
美味しそうな甘栗色の瞳。
柔らかそうな小さな身体。
あぁ、どうかその可愛らしい声音で、俺の名前を呼んで下さい。





「獄寺君?」


はっとして視線を下に落とせばキョトンとした表情で彼女は顔を覗いている。いつものようにボーイズ系の服を着る10代目は、それでもやはり可愛らしい。
蜜のような潤いのある唇が俺を誘う。


「す、すいません10代目! ボーッとしてまして」

「あのさ、お腹すかない?」

「そうっすね。何か買いますか?」

「甘いものが食べたいな」


にっこりと元気になる彼女に胸を打たれて、ある意味で瀕死になる。
あぁ、俺は貴方を食べたいです。
女性だけど、少し男っぽい性格の彼女。スカートなんて制服しか見れないし、喋り方も未だに一人称が俺だ。
それでも、女子独特の柔らかさや華やかさがなくならない。俺には際立って見える。


「あ、あそこのケーキ屋でも寄りますか?」

「そうだね」


悩んでそれでもすぐに種類を決めて、2〜3個買う。そんなに食べるのかと軽く目を丸くしたが、慌ててイーピン達のと付け加えた。
本当に優しい方だ。
普段は弱々しくて、少し頼りないとも思ってしまうことがあるが、いざとなれば誰よりも強く、揺るぎない思いを秘めている。

儚いくらい。





この人が、ボンゴレ10代目…。





最初女性と聞いて絶望したのを今でも覚えている。あのボンゴレが、これで終わってしまうんじゃないかと。


「すいません、10代目」


疑ったりして。
貴女ほど相応しい方はいません。


「どうしたの?」

「いえ、何でもありません」


心苦しくて俺はぎこちなく笑って見せる。それを少し淋しそうに彼女は見やり、そっと俺の手に自分の小さな手を重ねてきた。


「勝手に変なこと考えて落ち込まないでよ。俺は、君がここにいて、嬉しいんだからな」


これも超直感なのだろうか。そうであっても俺のことを考えてくれたのが嬉しくて、満たされる。


「………はい、俺―――10代目が大好きです」


愛してます


痛いくらいの気持ちを貴女に伝えれば顔を真っ赤にして俯いた。
ギュッと握られる手はもう、返事を返しているようなもの。

だけど、聞きたいんです。


貴女の声で

さぁ、





「俺も好きだよ、」





名前を呼んで





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