ムクツナ
□憂鬱が何かに変わる時
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最近、俺は憂鬱だ。
その原因は明らか何だが、どうしても取り除くことができない。
え? 原因?
あんまり聞かないで欲しいけど、
「つぅなよぉしくぅん!」
これだよ。
語尾に見事にハートが付きそうな気持ち悪い声音で俺に抱き付いて来たのは、味方でもあり敵でもあるはずの骸。
「だぁ、鬱陶しい! 抱き付くな!」
「な、何でですかっ! 酷いです! この僕がわざわざ君の家まで迎えに行ってあげてるのに!」
頼んでねぇよ!
突っ込みたいが、こういった台詞に一々文句言っていたらいくら俺でも体力が保たない。
ぐっと堪えて構わず歩き出す。
「ねぇ、綱吉君。今日の放課後どっか行き」
「行かない」
「さ、最後まで言わせて下さいよ!」
「どうでもいいけど、お前学校の方向違うだろ! ついてくんなよ!」
こんなやり取りをもう何回しただろう。骸はにやりと笑って大丈夫です! と何故か力一杯言った。
「僕今日から並盛中学に転校しますから!」
「雲雀さんがそんなことさせるわけないだろ」
ぴしゃりと言い放って更に速度を早める。こんなに言っても多分あいつは怯まない。
それどころか更にウザくなって反撃してくる。